「気持ちよく声を出すために、心と身体を整えよう」3.発声のためのストレッチ

だからその『イメージ』というのをストレッチをやるときにはとても大切に
してください。

そしてレジュメの2ページめには、肩とか首とか肩甲骨のストレッチがあります
けれども、それこそここ狭いんであんまりできませんが腕をぐりんぐりん回して
いただいたり、それと、なんかカタイなあ、やりづらいなあ、といったときはこう
やって壁を使って、手をぎゅんぎゅんって壁に押しつけたり、片手をつけて身体を
反対側にグイっと引っぱるとかね。
そんなことをやってもいいと思います。

えーと、それで次は首ですね。
頭の後頭部に手を置いてぐいーんとやるんですけど、これも無理にゴキッゴキッ
とやりましょうっていうんじゃないです。
ぐいーんってやるときに「あ、気持ちいいなあ・・・」っていう、気持ちよさを
味わってほしいです。
この首なんですけれども、最近の人はPCの前でこうやってますよね。
これだけ顔が首より前に出ちゃってることが多いんです。
それからスマホ!
身体が前かがみになっちゃうんですね。
で、いろんなことで首が前のほうにいってて、首に変な力がかかってる人が多い
です。で、その場合に、さっきみたいにゆっくりストレッチするのはいいんです
けど、よく首回しってあるじゃないですか。あれを無理やりやるとグキッてなっ
てよけい首が変になることもあります。
だから首回しをやるときにはちょっと下を向いて、ゆーっくりがポイントです。
ほんとに首が悪い人は首を右に回そうとしたら首の筋が引っぱられすぎて痛くて
右の肩が上がってきます。これじゃあんまり首は伸びてないんですね。
そこを気をつけて、グイングイングインって、肩は下げるつもりでゆーっくり回
してみてください。
右左に10回くらいやります。
そんな感じで首をぐりぐりやってみます。

そして、その後、思いきり肩を上げてみてください。どーん! そして、すとん!
と落とします。
そのとき今度は肩甲骨を寄せて下げる、って感じ。
そのときまるで頭が風船で、頭の下が紐にでもなったかのように、上から吊られた
みたいに感じてほしいんです。
そうすると、まるで首が少し長くなったみたいに、キリンになったみたいに感じて
もらえると、肩こりがちょっとマシになってきたりします。

で、この状態が声を出すときにとって何がいいのか。
というと、みなさん自分の手で喉仏に触ってもらえますか?
ハイ。で、つば飲んでください。ごくん。
お喉どんなふうに動きました?
> 前に出た。
そ。ここ甲状軟骨っていう軟骨です。
ちょっときゅっと前に出たり、ひゅんって上がったりします。
ごっくん、ってやると。
それどういうことなの? っていうと、唾をのむ、ごはんを食べる、人間ってモノ
を食べるとき飲みこむときに、軟骨がひゅい!って上に上がります。
これ上がらないとむせるんです。

おじいちゃんおばあちゃんとかで、もの食べててよくむせることありますよね。
あれは年を取ると喉の筋肉がだんだん弱くなって動かなくなるので、あんまり喉が
動かなくなるとむせるんですね。器官の中に唾が入ってくる食べものがはいってく
る、それでむせちゃうからコンコンコンコン咳が出る。

だからこの首をひゅんって長く伸ばしといてあげるのにはどういういいことがある
かというと、喉の中、喉頭の動きを意識するのにすごく役に立ちます。
じゃ、喉ってどんどん動く方がいいんですか? といったら、その通りなんです。
食べものを食べるときは動いてほしい。
ところが、発声をするとき。
そのときは喉はいつも下げておいてほしいんです。
これがいわゆる声楽でいうところの、ベル・カントです。
この喉が上の方に上がらずに下に下がって、マママママママーなんてやりますと、
喉が上のほうに上がらないので喉がきゅっと締まらない、締まらないから伸びやか
に高い声が出せる。
要するに、喉を上のほうに上げたままで高い声をだすと、こんなふうになります。
マママママママー (咳きこむ)
だから喉が締まらないためには喉を下のほうに下げておく。そのためには肩に力を
入れずにどん!と落としておく。首を長ーくキリンさんみたいにするつもりで、そ
ういうイメージで、そして腹式呼吸に移っていってマママママママってやるという。
それがポイントなんですね。
そういうふうにしてこの首のストレッチ、感じてほしいです。

こんどは下半身もやりましょうって話です。
この脚なんですけど、この脚の動きってバカにならないです。
これもいまわたし、どんなふうに動くかなって片足でやってますけど、実はこれが
できるというのは意外とバランスがいいから、左の足がしっかりしてるからなんで
すよね。
それでまた逆のほうもウニウニってやったりするんですけど、これがほんとに人間
まっすぐに立つっていうのも意外と渦かしいですよね?
実はわたしも歪んでるんですよ。
どうして歪んでるのかというと、こんな感じで患者さんがいらっしゃるとします。
「ちょっとお鼻拝見します」って、いつもこういう動きをします。
この動きを30年やってきましたんで、右の骨盤がちょっと外に開いてます。
そうすると、この開きをですね、上半身が補正しようとするんで肩が悪くなる、と
いうののがあるんですよ。
やっぱりね、ベテランになるといろんな職業病がつきものです。

ま、それはさておき、この脚を上げてみて、ここに書いてますように上に動かして
みたり、いろいろしていくっていうのが非常に役に立ちます。

それで、こんどは腰を回してみます。
それでこの腰を回すときに、特になんですけれども、腰だけ回ってたってうれしく
ないんですよ。
どうしてか。
地面とお空の間に自分がいるよ、ってイメージしてほしいんです。
で、それでいてそのお空と地面の間で自分がどう回ってるのかっていうふうにイメ
ージしてあげると意外とね、そういう動かしやすさが出てくるんですね。
自分の身体だけを回そうとすると、外から見ると回ってないのに本人は一生懸命回
してるつもりになってたりするんです。
だけれども、ちゃんとそれが地面に足がついている、重力として床の上に自分が立
っている、重力がかかって自分が立ってる、というのとまた上のほうから、、、、
これちょっと面倒な話、大気圧の話になってしまうんですが、この部屋がビルの4
階になるんですけど、これが実は30階でやるのと地下3階でやるのとまた感じが
変わってくるんですよ、ホントに。
1階、2階くらいだったらわからないんですけれど、実は人間というのはあんまり
高いところに住んでると病気しちゃいます。
10階以上の建物に住んでいる小さいお子さんたち、自閉傾向が出てきます。
やっぱり10階もあると外に行くのが面倒になる、というのもあるんですけれど、
やはり地磁気ってのがありまして、地面からの重力から離れていきますと、人間
って自律神経失調を起こしやすくなるんです。
だから成功者が「はぁー、この展望はすごいだろ、オレは成功したなあ。30階に
住んでるぞ。見ろ、あんなとこまで見える!」って言ってても、それで1年経った
ら「どっか調子が悪くなった」って言います。
タワーマンションの1番上のほうなんていつも揺れてますからね。
いつも揺れてるところでそんなん、心落ち着くはずないですからね。
だからもし、健康に生きたいなということでしたら、実は5、6階っていうのが
実は上限なんです。
これはウソじゃなくて、その町の、この場所のですね、いちばーん高い木の立って
いる高さっていうのが、実は人間が健康を保つ限度の高さだといわれています。

どうしてかっていうとね、木が伸びていくじゃないですか。
あのてっぺんの葉っぱのところまで実は根っこから水が吸い上げられてるんですよ。
それはどうやって水を吸い上げられるのっていったら大気圧があって、地磁気の関
係もあって地面からグーンと木のてっぺんまで上がっていくわけです。でもそこか
ら先はもう上がらない。
だから木は育てられない。
だから、その町、その場所で1番高い木が立ってるところよりも上に住むと人間ち
ょっとしんどくなってきます。
それが実は自然物の摂理なんですね。