「まずは自分を表現しよう!」4.架空の誰かを演じてみる

はい、みなさん、ありがとうございました。

えーと、そうしましたらあれですねー
もういちど、みなさんのその脚本を持っていただいて、
ふん、いまこの人を演じたわけやな、と。
ほんとに短い、寸劇とも言われへんような、ほんとに少しのセンテンス、
ちょっと喋っただけ、ってことかもしれませんけれども、でもこれを
やろうと思うと、まず、想像せなあかんのですね。
ここに書いてあるこの人って、どんな生き方してんのやろうって。
どんな人物やねん、と。

で、その瞬間にわたしたちは、まずちょっと心を開けへんと、
こういうことってできないんですよ。
だってまあ、ふだん、自分の生活、自分の人生生きるのでもヒイヒイフウフウ
言いながらやってるでしょ。

そんときに、たとえば自分のおかあさんどうやったかなあ、とか、おとうさん
どうやったかなあ、とか、両親のこととか、また子どものこととか、兄弟、
仲のいい友達、そういうような近しい人のことだとしっかり考えられたりするん
ですけど、ぜんぜん知らない赤の他人、まあまあ、わたしは58歳なんですけど、
世の中に58歳の男性なんて何万人もいますよね?
「あそこらへんに58歳の人住んでたらいま何考えてるやろ?」
そんなわからへん!

でも、名前が付き、性別があって職業がわかったら、なんとはなしに(その人の
人物像が)浮かんできたりするわけですね。
で、それで、いまおしゃべりをしてもらった順番に、みなさんのその小さな寸劇を
やっていただいたときの気持ち、感情をご説明いただけるとうれしいんですけど、
Iさん、いまどうです? その大山先生をやってみてどうでした?

いやー、あのもともと先生はとにかく医者には絶対になりたかったから、ついに
なれたってことと、独身で結婚したかったけどついにできた、子供もほしかった
けどついにできたと。その嬉しさでぜんぶしゃべったって感じですね。
ウェイトトレーニングについてはギャップがあったんですけど、自分はあまり好き
じゃないから。それとやっぱり(実際の)先生を知ってることと、ご両親が医者の
人でこんなに優れた人格の人おるだろうかって前から思ってた面があったから、
ほんとはご両親医者だったら我がままで問題起こすやつ多いんですけど、先生は
別格やったからそのイメージと、やっぱり自分も医者になりたかった、結婚もした
かった、子どももつくりたかった、という思いでしゃべったら、けっこううまいこと
いきました。

はい。
ありがとうざいます。

はい、そしたら、え~と、どうでした?
難しかったですか?

あーーー、難しかったですー
なんか、あんまりそんな楽しいこととか言えなかったかもしれないんですけど、
自分のことを最初に話したときよりは、ちょっとなんか話しやすかったような
気がしました。なぜか。

それ、あの、すごくいいコメントです。
はい。

いかがでしたか?

おもしろかったです。
この中の情報で、ロックが好き洋楽が好き、っていうのと、アルバイトと無職を
繰り返してる、ってところでアニメ的にちょっと想像しておもしろい、
おもしろいイメージが湧いてきたので、楽しかったです。

楽しくおしゃべりできたってことですね。
ありがとうざいます。

いかがでした?

そうですね。
この方の「巫女さん」ってところがとても特徴的があったので、神社の情景が
バーっと浮かんできて、砂利のところで自由な雰囲気で、っていうのがちょっと
イメージできたので、話はそれでできました。

ねえ、巫女さん玉砂利の上でホイットニー・ヒューストンっていったらすっごいねえ、
カッコええっすよねえ。
うん。はい。
ありがとうざいます。

はい、どうでした?

わたしは、好きなことに「きれいな音」ってあったんで、きれいな音がどんなところで
鳴ってたら、なんかこう美しいかとか、そういうこと考えながら想像した人物、とかの
ことを考えるのがわくわくしました。

なるほど、はい、ありがとうざいます。

いかがでしたか?
苦手よ、っておしゃってましたけど、、、

はい、苦手でした。
読んだだけで終わるんかなと思ったんですけど、ボイストレーナーという職業が書いて
あったので、sこからなんかこう、会ったこともないんですけど、ボイストレーナーの
先生っていうのには。そこはふくらまして、その職業としてどういう生活をしているのか
という背景をすこしふくらませました。

で、どうでしたか。
しゃべってたときは?

全然、覚えてないです。

ほんと?
ただただやるのが精いっぱい! みたいな?((笑)
なるほど。
ありがとうざいます。
じゃ、最初にご自身のことを名前を書いてお話しているときと、いただいた脚本で
しゃべった時との差、というのはありますか?

どっちもだめです。
すみません、、、。

ああ、そうですか。
いえいえ、とんでもないですよ。

えーと、じゃあ、男性は飛ばして女性、どうぞ。

もう~、そこに座るまで何言ったらいいかわからなかったんですけど、すごく苦手で。
で、もう、なりきってしまおうと思って、会社員で、66歳で、孫が5人もいるんや!
ってところで、でもお仕事もしてゴスペルもやってるってことはすごく、ま、家族の
時間も大事だけれど自分の時間をすごく大切にしたいって思いがあるんだなあーと思って、
子守りを頼まれてこうガーっとなってる姿を想像したらすごくしゃべりやすかったです。

なるほど!(笑)
じゃ、最初のご自身の略歴を話していただいたのとそっちやったら、
なんかその差異はありましたか?

いやあ、もうなりきって、もう架空なんで、もう想像ふくらましたらいいだけなんで、
あとはもうなりきって想像ふくらまそうと思って、そしたらスラスラ楽しくできました。

ありがとうざいます。

いかがでした?

あの、なんやろ。自分のことをお話しするよりも、こうじゃっかん無責任なので、
あのー、こう聞いてる人がいるからちょっとまあどぎついことは言われへん、っていうのは
ありましたけれども、まあ、いいようにも悪いように言うてもまあ、いい感じ、、、
じゃないですか。それで、じゃっかんちょっと話を盛ってみようかなあ、とかっていうふうに
考えたり、っていうので、楽しくできたと思います。

わかりました。

ハイ。じゃその余韻を大切にして、また、さっきのやつやりますね。
おんなじ音でいきます。
ですから、わたしは「に」でいきますね。

ニーニーニー、ニーニーニー、ニーーーーーーーーー
ニーイーーイーーーーイーーーー ニーイーイーイーイーイーーーーー

ま、そんな感じです。
はい、「あ」、どうぞ。
さっきの空手家で「あ」やって。

空手家の「あー」ですか?

それ(脚本)見ながらやったほうがいいかもしれない。
空手家をやったくらいの楽しいラクな気持ちで「あーー」をやってください。
その脚本の人になってやりはってもいいですよ。うん。

え?!

だけどきれいな「あ」をちょうだい、って、そういう感じです♪

え、これをやったときの気分ってことですよね?

そう、そう!

あーあーあああああーあー あーあーあああああーーーー

くらいですか。

はいっ!
ありがとうざいまーす。

では次。
「ら」の方。
お願いしまーす。

らららーらーらーらーらーららー

はい。ありがとうざいます。
はい、「は」の方、お願いします。

はぁーーあああああーーーーあーあ はぁあーあああああーーー

はい、ありがとうざいます。
「う」の方、お願いします。

うーうーうーうーーーーうー

はい、ありがとうざいます。
「ふー」の方、お願いします。

ふーーーうーーうーーー

はい、ありがとうざいます。
「ほ」の方、お願いします。

ほーーーほほほほほーほーほー ほほほほほー

はい、ありがとうざいます。
では、「い」の方、お願いします。

イイーイイーイーー イーイーイーーーー

はい、ありがとうざいます。
そして、「え」の方、お願いします。

エーエエエーーエーエーエー エエエー――

はい!
ありがとうざいます!
はい! いまね、みなさん自分でね、最初、声をぽん!と出してみた。
それで他人を演ずる、というアクションをひとつ間に入れて、
そして再びおんなじように、ぽん!って、最初に出した声で、どんなフレーズでも
どんなのでもいいですけれども、自分できれいな音を表現しようってやってみた。
そしたら、最初に「あ」をやったときと、いま「あ」をやったときでの違いってのは
あります?
感じます?
自分でわかりますか?

えーと、少しリラックスしてた気がします。

うん!
はい。

身体が。
なんていうの、力が抜けてる、最初にやったときよりも力が抜けたかなあー
っていうのがありました。

なるほどね。