感動を与える発声法 1.音楽の三大要素、基礎はしっかりやりましょう!

皆さんは素晴らしい映画や芝居を見たり、ライブに行ったりした後で、「ああ、感動した!」ということを友達同士のあいだで話すことはありませんか?
感動は商業的に作られた世界のものだけではありません。
しかし、練りに練られたエンターティメントが感動を呼び起こすのも、また事実です。
私たち人間は素晴らしいお料理を食べても、ここちよい香りを嗅いでも感動するのですが、ここでは心に沁み渡る声とはどんな声か?
そして、その声がなぜ心に沁み渡るのか、ということを考えてみたいと思います。

誰でも人前でパフォーマンスをするとき、見ている相手に何かを思ってもらえなければ話になりません。
「ふーん」だけじゃ人のこころは変えられない。
そのときパフォーマンスに必要なのは、ただの『満足』ではなくて、間違いなく『感動』です。

そういうパフォーマンスに必要なもののひとつは『意外性』です。
でもその意外性が見ている(聴いている)相手にとって望ましいものでなければ感動にはつながらない。

ここでは音楽についてのみお話ししますが、音楽には、メロディー、リズム、ハーモニーという三大要素があって、この3つがちゃんとしたときに音楽たり得ます。
もちろんここにアドリブを入れることはできますが、アドリブをするにしても一定の法則があって、それをあまりにも無視したものは意外性や驚きを通り越して不快感になってしまいます。

あくまで基本があって、そこからちょっとずらしてアドリブがあるから楽しく感じられるんですね。
ですので、音楽の場合は、メロディー、リズム、ハーモニーをきっちり押さえていただく。
つまり、早い話が『基礎はきっちりやりましょう!』ということです。
何が何でもそれはきっちりやってもらいたい。
たとえば腹式呼吸とか、口の開け方、唇や舌の使い方をしっかりやる、なんてことは当たり前のことです。
それをちゃんとやって、きっちりできたうえで初めてアドリブみたいなものが生きてくるんだと思います。