「発声力で賢くなる方法」4.賢く話すポイント

「おはようございます」という言葉がありますけれど、これをしっかり相手に伝えるためには、母音をしっかり発音する必要があります。
ローマ字で書いてみると、

o ha yho go za i masu

となり、母音だけを発音してみると、

オアオー オアイアウ です。

これをいつも何言ってるんだかわからないようないい加減な言い方で言っていると、母音なん飛んでしまってどこにもありません。
そんなことばかりやってると脳が定まってこないし、整理整頓されてこない。
整理整頓するためにはというと、「おはようございます」を、まず子音を落として発音するんですね。
やってみると変ですけど、それをきっちり言えるようになると、あとはそこに子音をくっつけるだけですから、滑らかにはっきり発音できるようになります。
というように、母音をはっきり出す、ということが、はっきり喋ることのひとつです。
これが1番です。

①はっきり話す(特に母音をはっきり)

2番めは、やさしく話す、です。

②やさしく話す

やさしく話すって、どういうことでしょう?
口先だけで優しく話したら、さっき話したような慇懃無礼になってしまいます。
この「やさしく話す」ということはどいうことかというと、音がつんざくような、キツイ、耳をえぐるような音じゃない音で話そう、たっぷり話そうということなんですけれど、これ実はテクニック的にいいますと『倍音を出す』というような話から、周波数帯域を広くとって話しましょう、というような、そんな言い方になるんですが、それがどういうことかといいますと、喉をあんまり締めずに口の中の容積をたっぷりとって話すと、やさしい音になる、ということなんです。

何故やさしく話すのがいいかというと、キツイ、平べったい、周波数帯域の狭い喉を締めて出すような音だと、相手の心に入っていきにくいということがあるからです。

では、どうやってやさしい声を出すのかというと、ピンポン玉くらいのものを口の中に入れたような感じで、口の中の容積をある程度とって話していただきますと、こんな感じの声になります。
でも、これは口の形だけではそんなに優しくなりません。
いま自分が話している相手が、まるで自分であるかのように思って話してほしい。
自分にはどう接するのがいいのか。
どう接したら自分が喜ぶのか。
それを思って話す。

この①と②の、はっきり、やさしく話せるだけでも、いい音がここに生まれます。
そして、さらにいい音を目指すにはどうしたらいいのか?
ここポイントです。

③相手の声と自分の声の両方を聞く

まず人と話すときには、相手の声をよく聞いてほしいんです。
相手が何か言いたがっているのにそれを聞かずに一方的に話したら会話が成り立たない。
自分に何か欲があったり、させてほしいことがあるときは人はついつい喋りがちになります。
そういうときは自分の喋ってる声をよく聞いて、なんだかいま喋ってる自分の声はいつもよりやさしくないんじゃないかとか、そういうことを考えてほしいんですね。
そういったことに注意しながらコミュニケーションするなら、いい声でゆったりとした口調で話せると思います。

この素直ないい音をずっと出しつづけていれば自分の頭の中にはとてもいい方眼用紙(フォーマット)ができるし、それができれば言葉もコントロールできるて考えもコントロールできます。

誰かと話しているとき、「この人と話してるとなんだか自分も賢くなれそう」って思うような人っていませんか?
その逆に、なんかこの人と話してるとしんどくなる、って人もいます。
その違いの大きなところは、やっぱり「いい音」を出してるかどうか、っていうところがすごく大きな分かれ目になると思います。

ここまでいろいろお話ししてきましたが、人の脳みそというのはほんとうによくできたコンピュータで、でもその最初の段取りを作っていくにはこの「いい音」というのがすごく役に立ちますよ、というのが今日のお話でした。