『東洋医学で喉をリラックスする方法』5.頭で考えるより自分の身体の声を聞く

人間て、いろいろ悩みがありますよねえ。
でも『悩み』というのは、こう時間軸があって、何年か前、1年前、昨日、今日、明日、1年先と、こんなふうに時間が進んでるとすると、「ああ、何年か前にあそこであんなことしたからいまこんななっちゃってる。どうしよう」とか「あんときに戻ってやり直せたら」とかね。また、たとえば「明日どうしたらいいかなあ? 明日ごはん食べるときに、フランス料理かイタリア料理、どっち誘ったらモテるやろう?」とか、いろんなこと人間は考えるわけですよ。
だけれども、それって悩んでいい悩みかどうか。
要するに、何か回答を出す、答え、アンサーを求めるんだったらそれは『悩み』じゃなくて『考える』ってことですけれど、でもただ単にどうしよう、こうしよう、ああしよう、だめだな、やめよう、とかグウグズ言ってるだけなのは頭の中で単に思考がぐるぐる回ってるだけで、これはほんとうにエネルギーとか時間をロスします。ね、無駄です。
で、そういうようなときに、ぐちゃぐちゃ自分はどうしてやっちゃってるのかな、というときには、意外と身体のどこかで気が滞ってる、っていうふうにいうんですね、これが東洋医学のポイントなんです。
じゃあそこで、どこで気が滞っているのかな、っていったときにいまやった14筋体操をいろいろやってると、なんか気が晴れて心が晴れて、それで(心身が)整ってくるよ、という、そんな話です。

それがすぐにわからないときには『自分の声を聞く』っていうのがあります。
これも昔からわたしはよく言ってます。

自分の声を聞く

自分の声を聞いてみたときに「あ、なんか今日ほがらか。晴れ晴れしてる。なんか元気そう」ってときと、なんか沈んだ声のとき。
そのくらいのことはすぐにわかると思うんですけど、でもいつでも沈みっぱなしだったら、どれが沈んでてどれが浮かんでるかもわからなくなるかもしれないから、そういうときは仲のいい人に自分の声をどう思うか聞いてみるのもいいと思いますが、でも自分の声を聞いてみたときに、「あー」といってるのをスッと聞きとれなかったら、録音すればいいですよ。

レコーダーに向かってなんでもいいから喋ってみてください。
そうやって録音した自分の声をちょっと冷静になって聞いてみたとき、「なんて魅力的じゃない声なんだろう!」とか「なんて楽しくない声なんだろう」とかと思ったら、「あ、どこかでエネルギーが滞ってるんだな」ってことを考えていただいたらいいです。でも、じゃあどこでエネルギーが滞ってるの?といったときに、さっきの声の質、木火土金水の声の質にあてはめてみてもらってもいいし、たとえばじゃあ、時間がもしあるんだったら、「なんか自分の声ってさみしそうな感じがする」となったら、肺経かな、じゃあ前鋸筋を一生懸命動かしてみよう、なんてやってみる。動かしてるうちに、ふんふん、なるほど、ちょっと肩が軽くなってきた、どうやろ、声は軽いかな? とかね。
そんなふうな実験をいろいろされたらいいと思います。

そうすると、自分の身体にいっぱいトリガーがあって、そこを上手に使ってあげることで喉はひらくし、声も心も軽くなる、っていうのがわかりやすくなる。これが東洋医学を使った発声法の面白いところなんです。
大きな声出さなきゃ! 腹式呼吸、横隔膜を使って大きな声出さなきゃ、あー!あー!あー!ってやってたってダメです。
ここ(喉)がなんか詰まってたら、、、といっても人間はごはんも食べてるし息も吸えるんだから、ほんとにここにボールが入ってるわけじゃないです。
でもイメージとして、ときどき人間、すごーく落ち込んでたり、ツライときにここにボールが入ってるような、ピンポン玉が入ってるみたいな感じになるときってありません?
そんなの感じたことないです?
・・・ありますよね。
そういうのってね、医学用語で『ヒステリー・グローブ』って言います。なんかここにあるみたいな感じ。
ほんとに気持ち的にこう落ち込むと、喉のチャクラっていうのが閉じちゃうんですね。で、それで、ここにまるで玉が入ってるみたいになる。で、イライラする、さみしい、ツライ、、、なんていったときにまたこうやって手を振ってみたり足をキュ!キュ!キュ!とやることで、ほんとにラクになることがあるんです。
これはもうほんとにやって、ご自身で体験していただくのが1番いいです。

いったい何故そんなことが役に立つのかといったら、東洋医学の思想では木火土金水にいろんなものが分かれているんだけれども、筋肉もちょうどそれに応じてマッチしてるっていう面白いのがあるよ、というのを、昔々の中国の偉い人方が勘ずいてくださったんですねえ。そういう意味ではグレート・チャイニーズですね。

いろんなことを悩むより、まず自分の身体に訊いたらいいよ。という、そういう話です。
頭に聞くとねー、ついつい頭はくだらんことをぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ言うんですわ。どないしよう、明日のおかず。どないしよう、あさっての電車。どっちの電車で行ったらええんやろ。JRか阪神か阪急か、う~ん・・・とかね。
ご自身が困ったとき、声が出ないとき、落ちこんでるとき、もちろん悩んで頭を使うのもいいんですけれども、もっと身体の声を聞く、ってことをすると、すごく楽に声を出すことができますよ、って、そんなお話でした。

ま、そんな面白い角度からのお話ではありますけれど、これがまたみなさんの日々のパフォーマンスに役立つようになればうれしいなと思います。
どうも今日はありがとうございました。