「ボイスチェック&ソングチェック♪」 Part 8 1.『オルフェンズの涙』

第59回のパワーボイスセミナーは、毎回ご好評いただいている『ボイスチェック&ソングチェック♪』の回です。
ここでは実際にみなさんに歌っていただいたり朗読していただいたりして、おひとりおひとりの声の出し方についてわたしがダメ出しさせていただこう、という、そういう企画です。
そしてこのセミナーの中で、もっとこうやったほうが楽に声が出せるよ、あなたにいま必要なのはこういう声のトレーニングだよ、ということがお伝えしていけたらいいなと思っています。

まず声を出すのにいちばん簡単なのは筋肉の使い方なんですね。
みなさんがお歌を歌われるときに筋肉を使うというのは、野球選手が、もしくは野球をやりたいと思っていらっしゃる方が、効率よくボールを投げる、ボールを打つ、といったときに無駄のない筋肉の使い方をする、というのとおんなじなんです。
ですから無駄なく喉の筋肉、お腹の筋肉、身体全体の筋肉を使ってやっていただくと、(そうしないより)ずっと声が出やすくなるということ、それをみなさんにお伝えするために企画しているセミナーです。

それでは1番最初の方、『Take Five』をやってみますか。
じゃ、まず歌ってみてください。
・・・まあ、それでは原調のままやってみますよ。
・・・と、こんな感じだけどいまのはちょっと音がちがうと思うよ。まずはこうしましょう。
譜面にコードを書いてきてくれますか?
そのとおりやりますよ。

では『Take Five』は後回しにして、次は『オルフェンズの涙』
いきましょう♪
はい、どうぞ!
・・・なるほど、オッケー、わかりました。
まずね、これはお歌の基本形なんですけれども、、、
みなさんお歌を歌うときに、「歌を歌うんだ!」と思ってしまうんです。
どういうことかっていうと、ふだんふつうに「こんにちは!」
「おはようございます!」って人と会話してますね、でも歌になったら、歌で会話しちゃいけないのか、ってことなんですよ。
歌になったとたんに、生き生きした言葉の抑揚が失われて気持ちがこもってない言葉がただずらずらでてくる・・・そんな感じ。
それが歌という作品を歌うというときに『気持ちがこもってない』というやつなんです。じゃあ、気持ちをむちゃくちゃこめたらいいのかというと、やりすぎもいけない。
だから、歌を歌うときにはまず、メロディーがあってリズムがあってハーモニーがあって、、、と、いろんなことが歌の要素としてあるなかで、さあ歌おう! と思うからやっぱり緊張もするしぜんぜん自然にもならないわけですが、そういった歌、曲の要素はちょっと置いといて、まず仮に、歌詞にだけ着目してみる。

ちなみにこの歌の『オルフェンズ』って何?
知らないの?
知らないのに歌を歌ってるっていうのはアカンなー!
やっぱり歌っていうものを歌うときには、たとえば外国語であれば、少なくとも翻訳したものを自分の中に取りこまなきゃいけないし、わかんない単語があればわかるように調べておかなきゃアカンですね。でないと、「なんだかわかんないものを歌います!」といって意味のないホニャララ歌詞を歌うのとおんなじことになるのよ。
それは全然ちがいます!

だからまずは、お歌を歌う前に、この歌って何を歌ってるんだろう? 何を物語ってるんだろう?
と、文章をとらまえてみなきゃだめです。
だから 『読書百遍自ずから通ず』なんていいますけれど、まずこの歌詞を『歌い上げる』より『読みこむ』のが大切』ってこと。
いい歌を歌うためには朗読が大切ってことです。
ではまず朗読してみましょう。