「発声が教えてくれる作曲法」2.まず曲のストーリーを考えてみよう ♪

いまのやり方だと単純にすぐはできますが、でも『歌の世界』として見たときにストーリーがない。
ストーリーがあるのが歌の世界です。
歌にはドラマがある。
先にそのドラマを作ってしまった方が、歌って作りやすいんですよね。それがなんにもない真っ白なところから好きな曲をみつけてきてコード譜を探して、そこから音を拾っていくというやりかただと、どっかで聞いたことのあるような歌になりがちです。
じゃあ、どうするのか?

まず、ドラマを考えてみましょう。
もし、いま自分が曲を書くんだったら、どんな曲を書いてみたいと思いますか?

Aさん「日常を、たくさんの人を元気にするような曲」

なるほど、いまキーワードが3つ出ましたね。

1.日常
2.たくさんの人
3.元気(癒し)

ってことは、これは、ちょっと3日くらいしたら火星にでも行ってみよう、っていうような非現実的なお話じゃないってことですよね。
Aさんはいまどんな暮らしをしていますか?
( 中略)

・・・・・と、
こういった細々したことも書きだしてゆくんです。
では、そういう日常の中で、人を元気にする、癒すような曲が作りたいとして、まず人を癒そうと思ったら、人に気持ちのいい状態になってもらおうと思ったら、いちばんに自分が気持ちよくならなきゃだめです。
作ろうと思う曲の中に、Aさんが歌の世界と関わっているときの嬉しい気持ち、楽しい気持ち、癒される感じが(表現されて)あれば、そしてそれを上手に歌えれば、それは癒しの世界になるわけです。

時代時代でバブルの時代とか、リーマンショックの時代とか、いろいろあるわけなんですけれども、そういうなかで人が「生きる」ということはとても大変です。
大切ですごいことを一生懸命やるからとても大変。
そういうなかでみんなけっこう疲れています。
疲れるなかである人は歌いました。
もしもわたしが家を建てるなら~♪
昔の歌です。
すごいアットホームな、ほんわりしたのんびりした歌ですけど、
大ヒットしました。
ちょうどその時代にそういうようなものがなくて、世の中が高度経済成長時代で右肩上がりでどんどん上りかけている中で、やっぱり猛烈ツサラリーマンとか、リゲインのCMじゃないですけど『24時間働けますか』みたいな大変な時代の中で、そういうのんびりした曲が、ときどき流行っていたんですね。

いまは時代は変わりました。
不安定です。
いつ国家がどうなるかもわからない。
テロが横行して、どこでどういう事件が起こるかもわからない。
そんななかで台風が竜巻が津波が地震なんかもやってくるとんでもない時代です。
そんななかで、ほんの瞬間かもしれないけれど、しっかり自分の人生をじっくり楽しむ、ということが必要だということで、いまこれだけのことが出てきました。

それではストーリーを考えてみましょう。

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