「声を出す時、喉がつまるのを解消するには?」 4.耳揉みの効用

(耳揉みのつづき・・・)

こんなふうに耳をマッサージしてやります。
耳ってツボがすごく多いんです。
こうやってギューギューって引っぱってやるでしょ、やってるとだんだんお耳がじ~んとして、ほかほかしてきます。
深呼吸しながら、ゆっくりした息で、ずーっとずーっと引っぱります。それで時折り揉みほぐします。でも、ほぐすのめんどくさくなったら引っぱってるだけでもいいです。

で、こういうやり方もあります。
耳たぶを下にぎゅーんと引っぱります。
ね、じーんってしません?
で、ちょっとホコホコってしません?
ほわ~~んとする感じね。
これも副交感神経の刺激になって、リラックスできます。
けっこうリラックスして胸が落ち着いたりします。
で、これで顔のあたりがほわーんとした感じ、しません?
なんかホカホカってしますよね。

で、これやってまた右のほう向いてほしいんです。見える景色どうです?
もうちょっと後ろまで首回りません?さっきより曲がるでしょ?
要するに、これだけで首の筋肉がやわらかくなる。
ね。さらにやわらかくしておきたかったら、最初にこうやって首を右に10回まわして、左に10回まわしてからこうやって耳引っぱっとく。
このやりかたでとにかくすごく血流が良くなります。
これ、肩こりにすごく効きます。

島田さんなんかよくイライラするからってよく煙草吸うやんか。
あなたはやめいうてもやめへんし。
そしたらそれをね、こうやって耳引っぱりながらほぐして、ホッとすると、ちょっと煙草の本数減るかもしれない。
ねっ。とにかくそんな風にして落ち着けながら身体の筋肉やわらかくして、首もやわらかくして、とやってたら、ぜったい健康になります。
ね、そういうやりかたもあります。

それでもういっぺんマママママママってやってみましょうか?
はい、いきますね、せーの!

マーマーマーマーマーマーマーーーー

はい、ちょっと上げます♪

マーマーマーマーマーマーマーーーー

・・・・・・ってこんな感じ。

どう?
出ますよね、声。
要するに変な力は入らない。
で、野球選手でも、それから卓球選手であれ、スポーツの素晴らしいアスリート、運動選手っていうのは、必要な筋肉だけに必要な力を入れて、要らないところは入れない。
たとえばエイッ!って動作をするとき、ウッ!と伸ばす力を入れるときに、上腕部の裏には力は入っているけど、表まで力を入れてしまったら、腕が伸びないんです。
(力を)入れる方と抜く方、それではじめてこういう動きができる。

だから声もそうなんです。
入れるところには入れてやって、入れないでいいところは眠らしとかねばならんのです。
そうやることで楽に声が出ます。
そういう状態を作っとくと、そこそこ高い声を出してもけっこう楽に出せる。

そのために、14筋体操をやる、耳ひっぱる、そういう方法があります。

で、いわゆる東洋医学、たとえばアメリカなんかで進んでいるのはカイロプラクティク、カイロプラクターと呼ばれる人がいて、あれもすごくいろんなテクニックがあって、彼らも東洋医学から学んでくださってますけども、ほんとうにたくさんのテクニックがある。そういうのをひとつずつやっていくと、意外と身体がほぐれるんですね。
そのほぐれた状態で歌うとか踊るとかすると怪我がないし、喉にもポリープ作らなくっていいし、それで楽に声が出る、練習もしっかりできる、そしたらこれ、すごいいい準備体操でしょ。
ということでこの14筋体操だとか耳ひっぱり体操ね、まあ、耳つぼ刺激と言ってもいいと思うんですけど、こういうのをやってってもらうと、みなさんの歌のためにはすごくなりますし、もちろん運動をされる方は運動の準備体操にもなります。

だからリラックスしてのんびりやってもらえれば、1日2回3回やってもいいし。で、この耳ひっぱり。さっきも言いましたがうちは耳鼻咽喉科です。そうしますとうちには英語で言うとサドンデフネス(Sudden deafness)、突発性難聴といって、急に耳が聞こえなくなる病気の患者さんがすごくたくさん来られます。で、大体そういう患者さんにはステロイドのお薬を使わなくちゃいけないし、また使うのが一番便利だったりもするんですね。ところが、それで治る人もたくさんいらっしゃいます、10人のうち、まあ、大体7人くらいでしょうか。でも治らない人がいる。でも、その治らない人の中にはこの耳ひっぱりだけで突発性難聴が治る人もいるんです。
っていうのは、どういうことかというと、ステロイドの効果というのは、まずステロイド打つでしょ。血流が良くなります。
それでステロイドで血流がすごく良くなることで、お耳にたくさん血を送って、でそれでお耳を早く良くしよう、っていうのがその治療のやり方なんですけども、それが効かない人がいる。
でも、こうやって耳をキュって引っぱってるでしょ、これ必ず血のめぐりが良くなります。
それで良くなって、耳ひっぱってるだけで良くなっちゃう人もいるんです。
だから、いろんなお薬の副作用を出させたくない人には私はいま「とにかく、これやって」と言ってます。
でも、これだけで治そうと思ったらやっぱり1日1回じゃないの。大体5回から10回くらい。でも一生懸命首を右に10回まわして左に10回まわして耳ひっぱってると、やっぱりワンセット10分はかかっちゃうの。で、それを5回以上やるっていったらね、けっきょくは1日に1時間以上、耳ひっぱってることになるわけでしょ?
でも、それやることでお金が1円もかからずに突発性難聴が治ったらすごくいいじゃないですか。だからわたしはいま自分の患者さんに一生懸命このお話をしています。

ですから今回みなさんが喉に余分な力を入れない、身体に余分な力を入れないでグッドパフォーマンスをしてもらう、毎日気持ちよく生活してもらって、ちょっとでも煙草の本数減らしてもらうために、この14筋体操をみなさんにお伝えしました。
ですからこれからも、ぜったい身体を使わない人はいない、毎日、起きる、食べる、歩く、何かして身体を動かしてるわけですから、その前に1日1回、この14筋体操をしていただくことで、すごーくなめらかに円滑に身体が動いて、人生も円滑に送れることが約束できるんじゃないかな、と思ってます。
またみなさんでエンジョイしてください。
今日はありがとうございました。