ボイスチェック&ソングチェック♪ Part3.エントリーN0.1 抱きしめたい②

Dr.松永:まず、ご自身で感じられている、自分のここがイマイチだから直したい、というようなところはありますか?

Aさん:よくいわれるのは、ピッチがあまい、ということ。
それと自分はあまりビブラートが得意じゃなくて、ちょっと声が震えているような状態になるので、それをしっかりさせたいです。

Dr.松永:ああ、それがご自分でわかってらっしゃるなら
非常にありがたいです。

まず歌を聴いて気になったの次の4つの点です。

1.バイブレーション
2.呼吸の長さ
3.母音が不確実
4.ピッチ

いまビブラートとおっしゃった、バイブレーションのことですね。
どこからこの問題がきているのかというと、腹式呼吸ができてないからです。
お腹のコントロールができていないので、喉で声を支えようとしている。
お腹の支えがしっかりしていないので、ちりめんビブラートになっている。
それに引き続いて、一息の長さがあまりにも短い。
息が長く続かないので歌が途中でプッツンプッツンと切れてしまってフレージングができなくなっている。
それもちゃんと腹式呼吸ができていないから。
そして、いまご自身でもいってくださったけれど、ピッチ。
ピッチ以上にそれぞれの歌詞の母音が不確実です。
ピッチが不確実だと、そこにぶさらさがってくる子音もいい加減になってくる。
ピッチというのは、ほとんどが母音を基本にとってゆくから、母音が崩れるとピッチも崩れてしまう。

そしてこれら全ての原因は「耳で聞いて覚える」ということにあります。
耳から聞いた音だけで音をちゃんとキープできるなんていうのは、1万人に1人くらいのものです。
逆に音痴の人というのも、1万人に1人くらいなんです。

ピッチがあまいというのがどういうことかというと、誰でも半音くらいの違いはとれると思いますが、それが4分の1以下の音になってくると、耳聞きでやっている人というのはじゃっかんフラットしてしまう、じゃっかんシャープしてしまう、というように、ピッチがあまくなってしまいます。