「もっともシンプルな音楽療法を学ぶには?」3.状況に応じて瞬時に反応できる声

素直な自我の少ない明るい声、弾んだ声、よく通る声、美しく澄んだ声、いい声の定義はいろいろありますが、ふつうに考えてふだん「いい声」と思っているそんな声も、状況によってはぜんぜん状況にそぐわない場違いな声になって、いい声にならないときがあります。
すべてはケース・バイ・ケースですから、前もって頭でイメージした声を作ろうとすると意外といい声にならないよ、ということです。

ですから、今日は〇〇さんに会うからこんな声で行こう、今日はこういう場だからこんな声を出そうと思ったとして、すべて計画してもいい声はでないよ! ってことです。

すべては瞬間瞬間です。
瞬間瞬間の状況を把握して反応できる声が必要です。ですから変に計画しない、変に意図しない、ってところがポイントだったりします。

じゃあ逆に、頭にくることを言われた瞬間に、瞬時に感情的になって「なんや、こら!」って言い返すのがいいかといったらもちろん違います。
そんなふうになったら音楽療法もへったくれもない、ただの喧嘩です。
そういう感情がワーッと出てきたようなときにはどうしたらいいかというと、感情をコントロールして、抑えて、冷静に相手と事を進めるのが1番いい声、ってわけですから、そこは逆に一呼吸置いてちょっと考え、冷静な声を出すようにする。それが良い声になる。
でもそれだってその状況を把握して瞬時に考えてやっているわけです。

それはどうやったらできるのかというと、それはもう経験を積むしかありません。
だけど、経験の前に、いつでもどういう心を作っておかなきゃならないかというと、自我の強すぎる声、もしくは心、というのは、これはぜんぜん音楽療法には使えないよ、ってことです。
こういうことをいうとなんか精神論みたいに思われて、なーんだ結局そういうことか、と思わる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、でも、これが基本です。
自我の強くない素直な声を出すために、『素直な人とつきあう』っていうのが、いい練習になります。

『素直な人』とはどういうことかというと、いま目の前にあるものを、あるだけでとらえてくれる人です。
大げさでもネガティブでもない。
そういう意味では固定観念の少ないお子さんなんかはいいでしょうね。
さらには『素直な人』の『人』の部分を『命』に変えて、『素直な命』としたら、もっとわかりやすいかもしれませんね。
たとえばペット。
動物療法っていうのを聞かれたことはないでしょうか?
日々の生活で疲れ果ててしまっていて、もう人と口きくのも嫌だ、というようなとき、猫のほうがいい犬のほうがいいって人はいーっぱいいます。
あれほど素直な命はないですからね。

ですから上手につきあえるもんなら、そういったペットたちと時間を過ごす、またちっちゃな子どもたちとつきあう、というのもいいことです。