演技の基本、それは声です!2.まず演じたいものをイメージする

人は年をとるごとにだんだんと身体のいろいろな機能が落ちて不自由になってくるものですが、たとえば目が見えなくなるとそのぶん聴覚に意識を集中するようになる。
目が見えない人は、相手の声によく集中して一生懸命聴こうとします。
その結果、目が見えていたころよりも声を通じて相手のこころが手にとるようにわかるようになった、などという声を聞いたりします。

逆はどうかというと、聴覚を失った人間は相手の声ばかりではなく自分の声も聞こえないので、それはかなり深いところでダメージがあるようです。
何故なら人は声を出す、話すことによって自分の声を自分の頭にフィードバックしながら考える、思考を整理する、ということをやっているからです。

それほどまでに声というのは大事なものなわけですが、では、ここからは『声で演技をする方法』です。

まず1番には、演じたいもののイメージをしてください。

自分がああなりたいと思える実際の人、自分が考え得る限りのベストな人間、好きな歌手やタレントでもいいし、現実の世界にいなければ自分が考える理想のタイプでもかまいません。

人は具体的なイメージがないと、それにふさわしい声が出てきません。

そして、そのイメージする人が決まったら、2番めに、そのイメージする人の喜怒哀楽について考えて感情の地図を描いてみてください。

あなたがなりたいイメージの人は喜んでるときはどんな声を出すのか、怒ってるときはどんな風か、哀しみに沈んでるときの声は、また楽しいときはどんなふうな声で話すのか・・・

声にはたくさんの感情が乗ります。

有名な歌手の何がすごいって、ピッチがヴィブラートがハーモニーがといったって、そういったものを正確に表現するだけならロボットに歌わせた方がずっと再現率が高いです。
いまならいくらでもそういうロボットを作れます。

ではなぜロボットに歌わせないのか。
そこには人間のように豊かな感情がないからです。
音符に正確に歌えることより、高度なテクニックを持っていることより、大事なことがそこにあります。