「下手でもうまく聞こえるカラオケ唱法」3.声できっちりリズムを出すには

ここからワークショップをします。
わたしが手を叩いたら、みなさんも叩いてください。
右回りの円で、わたしのところまで戻ってきたら、またもう一巡します。
これちょっとやってみましょう♪

やってみますね。
さあ、いきますよ!

タン! タン! タン! タン! タン! タン!・・・・

テンポが崩れると、いまみたいにガク!っとなるわけね。
いまは1回ずつ叩いたけど、次はわたしは2回叩くときもありますよ。わたしが叩いたのと同じように叩いて回していってください。

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もうちょっとゆっくりいきます。

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ってな感じね。
ありがとうございます。

っていうふうに、けっこうこれって緊張するんです。
でもうまくいくと、おお! みたいな感じで、ここに(エネルギーの)輪っかを感じるんですね。
それがリズムのすごくいいところなんですよ。

で、これをいま6人の人でやってるから大変なんですけれど、1人でやるとそこまでは難しくないわけです。
1人でやってみますね。

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ってね。
こんなふうにリズムを崩さずにずーっと回していくと、ある一定のエネルギーが出続けます。
だから、あとはこの上に歌を乗っけてゆけばなんとか音楽になるわけですよ。
ピッチ、メロディー、これもすごく大切です。
これがないと絶対に音楽にならないし、音楽がすごく変わります。クラシックなんかほとんど許してくれへん、そんなの。
だから今日のは『カラオケ唱法』といってるんだけれども、でも大勢で歌を、音楽を中心に楽しむときには、何が大切かってこのリズム、ビート、テンポ、これを押さえていただい
たら、あとはその曲の持つハ-モニーってのを大切にしてあげると、メロディーが少々狂っててもだいじょうぶ、ということになるんです。

ところが、さあ、リズムをただ単に守ってたら歌がうまく聞こえるのか、というと、、、、、、
ここから先がちょっと難しいことをいいます。

リズムをきっちり出す、っていうのは、やっぱりそれなりに大変なことです。声の場合ね。
手だったら簡単にできるんですよ。

声でリズムをきっちり出すには、ピンポイントの音が必要になります、ということです。

なにそれ、どういうこと?!

って思われますよね?
ちょっと聞いてね。手拍子でやってみます。
いわゆる4分の4拍子。

どうですか?
このベチャベチャした音。
これだと、音が瞬間瞬間で出てこないから、リズムがとりにくい手の叩き方になります。
ハンドクラップなんかもよく音楽の中で使われますが、歌を歌うときにもハンドクラップとおなじようにキレのある声、
言葉の出しかた、を使って、リズムを感じやすくするような歌い方をすると、多少ピッチが崩れても音楽的にはかっこよなるよ、という話です。

さっきちょっと歌いました、『上を向いて歩こう』ってのがある、これをあえてボヨ~ンって歌います。リズムやテンポが出にくいように。

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ぼわぼわ~んとしている。
なんかピリっとしてない。

じゃあ、それをピリッとさせるにはどうしたらいいか?

う・え・をむーいて・あーる・こうおうおうおう~
な・み・だ・があー こーぼれー・ない・ようおうおうに~

って、こんな感じで昔、坂本九が歌いました。
どこがこの差になってくるのか。
これをわたしが昔からいってますけど、『母音の大切さ』
です。
ピンポイントの音で歌うためには、母音がすごく大切にな
ってきます。
これ覚えといてね。

これちょっとみんなにもやってもらおうと思うんですねー

上を向いて歩こう、これ母音だらけの歌ですねー
この母音ひとつずつをしっかり歌うだけでリズムがしっかり
してくる。
さあ、メロディーは取り外して歌ってみましょう♪

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っていうふうに、このピンポイントで歌ってリズムをだしてあげるときには、母音をしっかり歌う、っていうのがポイントになります。

だから当然お口も、何言ってるんだかわからない曖昧な開け方ではなくて、しっかり開ける。
原曲に忠実にやるならなめらかに歌いますけれど、1個ずつリズムを出したいところに母音を1個ずつ入れる。

うえをむういてえええ~ あああるこうおおおおお~
なあみいだあがあー こおぼおれえー
なあいようおおおにいー

って、音を伸ばすときは「おーー」って伸ばすんじゃなくて、「おおおおー」って伸ばしてもっともっとピンポイントのリズム、テンポを出していく。それやると、ほんとに少々音がズレても、意外と乗ってきます。
ノリが出てきます。

そういう意味で、歌のエネルギーを回すために、リズム、テンポをきっちりするために、ピンポイントで、母音を立てて歌ってね、ということです。