音程って、どうすれば安定するの? 4.頭蓋骨の響きで音程をとる♪

人間が音を感じるのは、耳の奥にあるカタツムリみたいなかたちをした『蝸牛』と呼ばれるところです。
蝸牛は骨の中に入ってしっかり固定されているので、骨の響きで音を取る、というのがとても役に立ちます。

この図を見ていただけばわかるように、実は鼻の奥にある空洞は意外と広いです。
上顎洞、篩骨洞、前頭洞といいますが、ここに物が詰まるとすごく気持ち悪いし、耳が聞こえにくくなる。
ここに空気がたくさん溜まっていると音が共鳴してくれる。

「あー」と声を出すと、外に音が出るというだけでなく、鼻の中にも、おでこにも、目の間の空洞にも、空気の溜まっているところに音が入ってくる。

「あー」というとき、私の頭蓋骨は揺れています。
その頭蓋骨の中のわずかなエリアでも音が揺れてたら、私たちはやっぱり音を感知しやすくなります。
音としてだけじゃなく、揺れとして。
人間の知覚、感覚というのはとても複雑です。
音とともに揺れが重なるから、すごく体感できる刺激となる。

それは鼻が詰まっていたらできないことで、鼻づまりの人は音がとりにくくなる。

ですから、鼻の通りを良くして音のバランスを上手にとっていく、これが実は音を安定してとる1番の秘訣なんです。
骨をどれだけ上手に揺らすか?
頭蓋骨の穴ぼこで空気を振動させているのを感じる、ということが上手に音程をとることに必要になってくる。

では、その練習をするにはどうしたらいいか?

ハミングで歌を歌ってみるのがいいです。
なぜかというと、ハミングは副鼻腔をめいっぱい響かせることができるから。

よく「マママママママ・・・・」と、マで歌わされることがありますが、なぜマなのかというと、鼻をつまみながらちょっと「あかさたな/はまやらわ」と言ってみてください。
言いにくいのはどれですか?
「な」と「ま」ですよね?
つまりこの2つは鼻から抜ける音だから。
鼻が詰まっていては発音しにくい音なんです。