声の出にくい人の発声法 2.あくび溜息法とアクセントメソッド

このあくび溜息法、実際にやってみて、あくびをすることで喉の奥が広がって、何もしないで発声するよりもずいぶんと楽に大きな声が出せるのを感じてもらえたんじゃないかと思います。

さあ、これで口の構えができました。
では、もうちょっと頑張って声を出そうというときやるといいのは、前にも話した、丹田にぎゅっと力を入れて、でもガチガチにお腹を固めるんじゃなくてふわっとやわらかくお腹を外に張って肺の(息の)支えを作り、口はいまやったあくびの形です。

これで、まるで息を吸っているかのようで実は吐いている
この面白い息の流れで歌ってみると・・・・

ほら! ラクチンです。
全然のども縛られないし、スカン!と声も出る。
このやり方で発声すると、歌い続けても話し続けても喉が疲れてカサカサしてくることがなくなる。
これはとっても簡単にできて、喉を傷めない発声法です。

そしてこの『あくび溜息法』は、声を出しやすくするために考えられたものではありません。
人間、生きているといろいろツライことストレスの溜まることがいっぱいありますが、そうやって打ちひしがれて声が出なくなった人に、声をしっかり出させてあげて、心の中に溜まったものをドン!と出させてあげて、それで心も軽く声も軽くと、そういう心理的な面も考えて作られたメソッドなのです。

まず、この『あくび』の口の形がどんなにパワフルかということを、今日は覚えて帰ってください。

次は『アクセントメソッド』です。
これは何かというと、言ってみれば『音楽遊び』とでも思ってくださればいいです。
『あくび溜息法』はその気になれば1人でもできるけど、これは1人ではできません。
最低2人以上は必要です。

まずどうやるかというと、リズムをとる人がいて、それを模倣する、真似する人が1人以上です。
まずはみんなで実際にやってみましょう!

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どうですか?
これを延々と汗が出るほどやって、もう頭で考えるより反射でやれるくらいになるまでしつこくしつこくやるわけです。
そうやって延々とやっていると、気がついたときには相手も意外と声が出るようになっているんです。
それがこのリズム体操というか、リズムによる発声法です。

人間は自分より大きな力を持った人に引きずられる傾向がありますから、このアクセントメソッドでトレーニングする側の人はある程度慣れている人のほうが望ましい。
そして慣れているトレーナーが、慣れてない人、もしくは患者さんの声と心を、喉と一緒に広げてあげるつもりで、自分もリズムに乗って、相手の心を躍らせてあげるのが、このアクセントメソッド法です。