「魂を声に乗せる法」3.心の奥をさらけだすように喉をひらく!

あのね、これ(首の角度)は人によっていろいろです。
だから、絶対90度じゃないとあかん! 100度やないとあかん!
85度じゃないと、、、
そんなのありません。

ただ、いま言ってるのは(発声するのに)
自分はどこが一番ラクかを知ってほしいんです。
だから、いろんな歌手の方の中に、顎を上げて歌ってる人がいるんやけれども、
あれは顎あげたたほうが、その喉に対するテンションがかかりやすくなる。
テンションかかると、声帯が引っぱられて伸びるんで、高い声がだしやすくなるんです。
ところが実をいうとあれをやると、音がすごくモノトーナスっていうのかなあ、
単一な音になってしまって、音のレンジがとりにくくなって、あんまりおもろない音に
なってしまうんで、あれ意外と喉を痛めちゃうんですよ。
だからほんとはあんまりおすすめしない。

でも、マーってやってて、アーーと上向いて、ここアウトですよね、アー――
ここらへんからよくなります、アー―――、といた向いていって アー―――
ここがもうアウトー
みたいなね。

ちょうど90度から上下あるていどの幅持ってるあたりが
けっこう出しやすい場所なんです。

じゃあ、その出しやすい感じをさらにもっと出していかへんと、
ここらへんにあるのをン!って出すのはなかなか難しいんですね。

じゃあ、ここら辺にあるもの、要するに胸とか、心とか、身体ぜんぶを音に表現して
ぶわっと出すときって、どうすんのがいいかっていうと、もう簡単に言うと、お酒飲んで
へべれけになって思わず吐いちゃったとか、風邪ひいてヘロヘロになって吐いちゃったとか
そんなのないすか?
あります?
そういうときって、でも吐いた後ってちょっと気持ちよくなりません?
ない?

いや、実際問題、精神的にちょっとこう人間へばってるときとかに
中にあるものボォーーエ!!!って出すことで、ちょっとすっきりしたり
自分が軽くなったっていうふうに錯覚する人は多いんですよ。

で、若い子なんかで、周期性嘔吐症、ああ、これもうちょっと小さい子だけど、
でもなんかストレスが溜まってくると繰り返しゲッゲッゲッゲ吐いてしまう、
吐くとラクになる、っていう人はすごく多いんですけど、
でもそれは吐くことにもそういう作用はあるんですが、
喉を開ける、っていったときは、心をひらく、って、
そういう作用もあるんです。
不思議と。

さ! それで今日の1番の要。
魂を声に乗せるために、みなさんの心をひらいてほしいと思います。

で、その心をひらくっていったときに、これちょっとイメージしていただいてもいいんやけど、
人間そんなに賢い人ばっかり、ちゃう、アホもまたおもろいことやねんけど、
自分がどういうふうに生きたいかっていう、
どういうふうに歌いたいかっていう、
これもけっこうわかってない人が結構いる。
だけどいまとにかく何かある自分を見てほしい。
表現したい。
これをとにかく誰かに伝えたい。
という思いがここにあるなら、それをガッって出すつもりで、
舌を出してほしんです。

これね、これ舌を引っぱるのにちょうどいい紙なんですね。
舌を引っぱっていただきます。

これまたね、さっきの副交感神経で耳ひっぱるほどはやらんでええんですけど、
あるていど引っぱってほしいんです。

どういうふうにして引っぱるのか。
この紙でもって舌を巻いて、指でつまんで、こんなふうに引っぱる・・・・・・

ごめんね、ちょっと引っぱってみて。
そうです。

これで、エーって、いうふに声だします。
そんときに、まずやります。見ててね。

エーーー――― です。

まず喉持って、このままでエーって言ってください。

エーーーーーーーーーー

そうです。
こんど、舌をめいっぱい引っぱっておんなじようにやると
どこで響いてるのか。
それを感じてほしいのね。

いきますよ。

エーーーーーーーーーー

オッケーです!
さ、もういっぺん、意識してやってみましょう。

で、こんどはとにかく、なんにしたって開けて開けて、ここにあるものを、
奥のほうからハアーってハアーってハアーって出すぞ!
というくらいのつもりでやろう。
ね、いくよ。舌ね。引っぱってね。
いきますよ。せーの!

エーーーーーーーーーー

オッケーです。
これ、すごい息の使い方、無駄な使い方しますから、
あんまりロングトーン長くつづきません。
つづかなくってもいい。
もういっぺんいくよ。
とにかくいっぺんに思いきり出すって感じでね。
いくよ。
せーの。

エーーーーーーーーーー

オーケーです!
で、これでね、ふつうやったらマ・マ・マ・マ・マ・マ・マーなんて
わたしたち音階考えて出すじゃないですか。
これは考えない!
ただただ一番ひろがって出せるもんをウェッ!って出すくらいのつもりで
やってみましょう、そんな感じです。
もういっぺんいきます。せーの!

エーーーーーーーーーー

オーケーです!

要するに、喉頭をひろげるいうのはどういうことかっていうと、ほんとは、
喉頭はひらくっていっても声は出てんねんから声帯は閉じてんねん。
でしょ?
声帯閉じへんとどんな音になるか、やってみます。
声帯を閉じて、あーってやるときは

あーーーーーーー

これふつうです。
声帯ほろげたままでやったときは

はあーーーーーーっ

です。
声帯閉じへんとこんなんになる。ね。
だけど、わたしたちいうのは、声を出そうと思ったとき、
知らない間に喉頭にまで余分な力を入れちゃうの。

その最たる感じがこんな感じ。

エ”ヤ”ア”!

首絞められたときみたいな悲鳴。
これもうギュンギュンに締まってるの。

だけどまあ、声は出します、でも広げたいんだけどなんか広がれへんな、
エーーーって、いつもこんな感じで声出してる人、多いわけ。
くるしそうな感じ、こんなんで練習すればするほど喉がチリチリするし、
声だされへんし、これでガンガンにがんばると、声帯結節できたり
ポリープできたりしてひどい目にあいます。

ここの余分な力、入れない、舌ひっぱるくらいにこれやって喉をめいっぱい広げて
ここをラクーにして、それで、エーーーーってやってあげる。
でもだいじょうぶ、声帯はこれ閉じてるんですよ。
でないと音でませんもん。
ヘエーーーーーー
こういうときは、ほんとにここの上のほうでの響きがちょっと狭くなって
ここ全体の共鳴空が使えるようになるんで、
ちょっと下のほうの響きも感じられるようになるんです。
ヘエーーーーーー です。

で、こういうふうにして、声をだしてあげると、ほんとに伝えたい、
好っきやねん~! って。
そういう、中にあるものが、すごく出しやすくなるんです。

これができるようになったら、出した舌を口の中にしまっても
声がすかーんと出るようになるよね~
ぜんぶ、だーーせーーるーーー♪
・・・ってなるわけです wwww

それが、喉をひらくっていう方法です。

これから、いつもいつもやってる「医学的腹式呼吸」ってことになります。
でもね、お腹のトレーニング、息の支えも大切ですけれども、絶対にやっぱり
ここ(喉)が開いてくれへんと、いくら腹式呼吸でお腹使って喉下げても、
下げるのと開くのって、また違うねん。

人間の身体ってすごい複雑やねん。
それだけいろんなことできるようになってる。
だからそういう意味で、まずはリラックスして、軸を整えて、ぽかって口あいて、
ひとつのやり方として「あくび」もいいです。
あーあー、っていうの。
あくびとか、ため息とか。
舌だすとか、ちょっと吐くみたいなのとか、
そんなのやって喉をすかすかにする、とやってから、
さあ、それでお腹のほうに移ってゆきます。

はい、お腹です!

さっきもちょっとお伝えしていましたおへそ、ちょっとそこから10センチほど下、
ここに丹田というのがあります。
ここでもって腹式呼吸の場合は音どりをしていくっていうのが
すごく楽ちんになります。

このおへそのちょい下なんですけれども、ここに自分で指をギュ!っと入れてください。
こんな感じ。ぎゅ!

で、このギュッと入れた指を、ご自身のお腹でぐん!って出してください。
ぐん! です。
これ、ぐん! って出しながら、さっきの感じで喉ひらいて、
ヘエーーーーーーー みなさんもやってみてください。ヘエーーーーーーーーーーー
はい。ちょっとやらしてね。
1人ずつやってみてー
はい、どうぞ。

ヘエーーーーーーーーー

はい、これね、ここ持って。ね。
エーってやってんねんけど、そのエーにね、力を少しだけ入れてほしいんです。
そんときも腹から力入れてほしいの。

ヘエーーーーーーーーー

って、こういうこと。ヘエー、ヘエー、ヘエー
はい、どうぞ。

ヘエーーーヘエーーーヘエーーー

はい、それでここはさっきみたいにポカっとあけて、
肩に力いれないで、つづけて

ヘエーーーヘエーーーヘエーーー

少し違うの、わかる?

わかります。

ねえ。それです。
それが腹式呼吸なんです。

腹式呼吸は声を出しているあいだ常にお腹を外に張ります。
これが中に入っちゃったら腹式呼吸じゃなくなるの。