「魂を声に乗せる法」2.身体の軸を整える・喉をひらく

それからウェイトトレーニングするときに、バーベル持って、んーっと
力入れて持ち上げるときに、無意識にやると、こうやってこういう上がり方とか
こういう下がり方してるんです。
軸がズレてると。

こんな重いもの持つでしょ?
なら、いっぺんにストーンとスクワットやるにしても(まっすぐに)下がられへん。
うねうねとこういう上がり方したりする。

また懸垂やるんでも、こうやって上がるときにスッと上がれなくて
こういう上がり方すると肩、あっという間にアウトになります。
だって重いもの持つときに両手でおんなじように、んっ!て持てたら、
けっこう軽くもてるんやけど、こういう持ち方したら最初に片手にぜんぶ力が
かかるでしょう?
そうすると、200キロのものを持とういうたときに瞬間に200キロ片方に
かかるんですよ。
両手でおなじように持てたら左右どちらも100:100です。
まあ、なんとかなります。
片手から200いくとかなりキツイ。
そういうのがあるんですね。

で、そんなふうにして、人間の身体の軸がブレると、重いもの持ったり、
ちょっとかがんだりするのも大変。
で、それだけじゃないんです。
歌も、実は右の声帯と左の声帯と1個ずつあるわけなんですけど、
この声帯が上手に合って両方やわらかく、いい感じで動くときに、
顎の形とか、首の曲がりとか、それはやっぱり、ほんのちょっとですけど
関係したりしてるみたいです。
これをちゃんと証明するにはMRI撮ったり筋電図いうのをとらへんと
なんともいえませんけど、でもやっぱり身体の歪みは喉頭のほうの歪みにも
関係してくるように思います。

・・・ということで、軸を整える。
さあ、特に喉だけの動きではなくて、軸を整えるときの良さは何か?
呼吸がいい感じの呼吸ができるんですね。

それで、軸を整えるやり方、なんですけれども、どうしたらいいかというと、
これはやっぱり鏡があるところでやるといいんですけれども、
とうぜんあんまりこんなふうに前かがみになって歌う人はいないわけですね。
また逆にこんなふうにお腹を突き出してそっくり返って歌う人もいません。
だけど、自分がまっすぐに立ってるつもりでもちょっと右に傾いてたり、
ちょっと左に傾いてたり、っていうのはけっこうあったりするんです。

だからまず、ほんとにまっすぐかどうかなあ? というのを見てほしいんですが、
このまっすぐに立ってるとき、それが最初っからズレてたら、
それはちょっと脚をひらいて、「自重スクワット」ってやつですね。
両手こうやって胸の前でクロスして、それでこういうふうに、おへそとか丹田とか
前のこのあたりが、ストーンと下のほうに下りてって、また上がってくるっていう
それを感じてほしいと思います。
これがね、大して意識せずにスッて座れて、スッて上がってこられる、ってことが
できたら、あんまりブレてないんです。
いっぺんやってみましょう。

では最初に、肩幅ていどに脚をひらいてください。
あんまり足を外向きにするとやりにくいです。
かといって内向きになってもよくないです。
だいたい平行からちょっと外向きくらい。
それで胸の前で手をクロスします。
それでゆっくり下りてゆく。
そのときに、こうやって上体の片っ方に重心がかかっていないのをまず知るために
最初は片っ方ずつ(重心を)かけていきます。

まず右のほうからグーっと傾いてってください。
そうそうそうそう、、、ほら、右の足つっぱるでしょ、ね。

はい、こんどは左でやってみましょう。
ひだり~、、、、
ね、これが右とか左とかにズレてるって状態です。

じゃ、それがないようにして、自分のおへそ、丹田、このあたりを一直線にして
これがズドーンと下に下りていくような感じで両足、両ふともも、両おしりを
平均してスーッと下がってってみましょう。
はい、ズーーーーーー・・・・・・
はい、それでまたずーっと上がってくるー

これ上がってくるときにね、両足をベタっベタっと、足の裏ぜんぶで
感じてほしいんだけど、でも上がるときは、上手に上がろうといったら、
ちょっと踵に意識を置いたくらいのほうがいいと思います。
もういっぺんいきますね。
いきますよー、せーの。
はーい、で、また上がりまーす。
はい、もういっぺんいきましょう。

はい。
どうぞおかけください。

まずこうやって、左右均等にまっすぐ上がって下がって、っていうのができて、
軸を整える、っていうのがあるんですね。
それでもひとつ!

こんどはみなさん座ったままでやっていただきます。
座ります。
座るとまた、こんなふうな、前かがみの座り方してる人とか、猫背になってたりとか、
逆に何か後ろに反っていたりとか、、、してしまう。

電車でもなんでも乗るとすぐに脚を組みたくなることって多いと思うんです、現代人。
あれって行儀が悪いんじゃないんです。
大体みなさん、背骨が曲がってるんです。
そうすると、逆に脚組まないとバランスとりにくくなっちゃうんです。
じゃあ、どうしたらいいの? っていうと、これね、座ったときに軸を整えるのは
右の足裏、左足裏、そしてお尻。
で、このお尻も、、、後ろから見てね。
お尻を右にズラして座ったほうが気持ちい人と、左にズラしたほうが気持ちい人と
あるんですけれど、この両方のお尻の肛門、これ臀裂って言うんです、お尻の割れ目のこと。
ここがちょうどまっすぐになって右左のまんなかのここらへんでってストンと座れる。
これっていうのが、3ポイントでちゃんと面が決まって、軸がとれるよ、って話なんです。

なんでこんだけ軸、軸、言うんか。
さっきもいいました。
このほうが息がしっかり入るんですね。
で、こうやっといたほうが、腹式呼吸にしても胸式呼吸にしても、肺がたっぷり使える。
ということから、座るということも1に2の3、をしっかっりしてほしい。

じゃあ、これでほんとにできてるよねー、やりましょうかー
じゃ、ないねんね。
これも確認する方法があります。

両方の手をお尻のすぐ下、腿に付けて椅子に座ります。
このおてての上に座る感じです。
そうすると、不通に座るよりちょっと右に寄ると、右手いたあなるね。
やってみて。
右に傾くー、はい、左に傾くー
おてて痛あなりますよね?
おててが痛あなるということは、均等に座ってへんねん。

ね、だから、両方の手の甲が、特に指関節なんかにきますけど、
ここが痛みを感じないように均等に力をかけて座って、
それで右足、左足、両方のおてて、っていうことでこうまっすぐに座る、という形。
これが座位での軸の整え方です。
で、また、もしあれやったらあえてね、
うしろに寄りかかるようにしてちょっと足上げてみるー
こんどはちょっと逆にこう足を中に入れて前かがみになってみる、ってやって、
自分の場所、左、右、お尻のまんなか!
っていう感じで、3ポイントをとってほしいと思います。

そんな感じです。
それでまず自分の軸というのがだんだん見えてきたら、そこでこんどは
息を吸っていくんですね。

3番めが、喉頭をひらく。

よく喉をひらいて、喉をひらいてっていいますよね?
喉をひらく。
喉をひらきましょう。
口じゃないです。
喉なんです。

要するにお歌を歌うときにはとうぜん口ひらいて声だすんですけど、
でも、よくみなさんおっしゃいます。
歌の練習してたら喉がチリチリする。
喉が痛くなる。
それなんでかいうと、喉しぼってしまうんです。

それなんでかっていうと、いわゆるベル・カントがうまくできてへんからなんやけども、
ベル・カントが上手にできますと、ほんとは喉はチリチリはしてこないんですが、
でもそうは言ったって喉をいっしょうけんめい下げて下げて下げて・・・ってやっても
変な下げ方をするとやっぱり喉は詰まってしまったりする。

そしたら喉をしっかり開けていかにゃならんので、
喉を開けるために舌をだしましょう!
ってことをやります。

まず、みなさんに何をしてほしいのかっていうと、いちばん最初にわかりやすいことで
ロングトーンをちょっとやるんですけれど、まずふつうにカンタンに、
マーってかるくやりましょう。せーの。

マーーーーーーーーー

オッケーです。
じゃこんどは、このマーってやるときに、こう1番上に顎を上げて、
で、下にこう下げて、また上げて、、、ってことをちょっとやります。
それをロングトーンをやりながらやります。
じゃ、せーの。

マーーーーーーーーーー