「自分の声で頭の疲れを取る方法」2.効率のよい脳の使いかた

次は『脳』という臓器についてお話ししましょう。
ここに脳という臓器があります。
そんなには重たくないです。
でも、そこそこは重いです。
お豆腐っぽい感じというか、バターのようなというか、、、
頭の中にこんなふうに入ってます。脳みそです。

ではこの脳みそ、毎日いろんなこと考えると思いますけれど、その
いろんなことでこの脳みそがどれくらい使われていると思います?
エネルギー。

そうなんです、半分以上。
たとえば今日セミナーに行って勉強しようだとか、お仕事をしまし
ょうだとか、こんな感じで歌を歌おうだとか、その人にとってその
日とても大切なことを考えているわけですが、実は脳のエネルギー
の大体60%から80%といわれている、6割から8割は、まだやってき
ていないこれからのことか、過ぎ去った過去のこと、もしくは妄想
的なこと、空想にすぎないような、どうでもいいようなことも含め
て、いまじゃないことに6割から8割もの脳のエネルギーを使ってい
るといわれています。

で、大概この6~7割で脳が疲れちゃうんです。
もちろん、1日15時間コンピュータの前で単純作業をするのも疲れま
すが、でもある意味それだとやらなきゃならないこともわかっていて
見えてますから脳はそんなに使ってないんです。
でも、ぼーっとしてるときにあーでもないこーでもないと悩んでると
きとか思ってるときってのはこれすごく疲れるんです。

さ、脳がそれだけ疲れたら、脳はグリコーゲンってやつを必要として
ます。糖質、ってやつです。
つまり脳がすごく疲れると、イライラしてきますし、しんどくなると
甘いものが食べたくなるんですね。
ま、だから、頭脳労働をたくさんされる方っていうのは糖質、甘いも
のがほしいというのはあるんですけれども、でもイライラしすぎると
甘いものをとりすぎる傾向が強くなってきます。

だから糖尿病の方、ちょっと太ってらっしゃる方、太ってると一見大
らかな感じがしますが実は繊細な方が多いです。
神経細やかで脳みそいつも使ってて、でそれで疲れてらっしゃる方が
多い。
・・・そんな感じで脳みそがへばっていくわけなんですね。

じゃ、さっきも言いましたけれども、コンピュータの前で熱中してひ
とつのことをやっているときというのは、脳みその中にすごくシンプ
ルな道をひとつ、ぼん!と作ることになります。
たとえばここから向こうまでボールを蹴ってシュートしようかなとか
泳いでみようかな、とか、何かの意識を持って単純な作業をする、
まあ、単純と言っても身体を動かしていろいろ難しいことやってるん
ですけど、でもひとつのことに専念したときには脳のエネルギーはど
れだけプラスアルファされると思います?
もやもやっとしたことを考えていて6~8割だとしたら。
オッケー!
ちょっと数字似てますけど5%です。
5%だけしか増えません。

でも逆に言うと、その5%のエネルギーをかけてひとつのことに一生
懸命になると、さっきの60%から80%のもやもやが消えるんですね。
だからすごくラクになっちゃうんです。
だから何か一つのことに熱中しているときって人間すごいエネルギーが
出てくるっていうじゃないですか。
それは、何か一つのことに熱中していると脳が余分に使われないってこ
となんですよ。
ひとつのことに一生懸命になってると。
そうすると余分なものにエネルギー使わないからエネルギーが出てきて
いろんなことができる。

だから、いつもああでもないこうでもないってやってる人ってなんとは
なしにイライラしてるし、なんとはなしに疲れてるのに、大した成果が
出せない。
でも何か一つのことに熱中するタイプの人は5%しかエネルギーを消費
してないから、60%~80%の人から言えば12分の1とか16分の
1のエネルギーでどんどんいろんな成果が出てくるわけなんですよ。
だから『何かに熱中する』という回路を頭に入れておいてあげると、人
生ではすごく成功することができます。

じゃ、何に熱中すればいいのか? といったら、それは人それぞれです。
たとえば、わたしはっていうと、患者さんの喉を診ることに熱中してい
ます。
で、また、その患者さんの喉を診ながら、その声帯のほんとに細かい動
きってのをじーっと見てましてね、あっ、こう動くからこういう声にな
っちゃうんだ、それでこの人こんな病気になってるんだ、みたいにいっ
つも見ているわけです。

ま、とにかく何かに集中する、っていうことを身につけてほしいです。
あー待てよアレに集中するコレに集中するどれに集中する明日はコレに
集中しようかな、うーーーーん!・・・とか言ってるといつまでたっても
集中できへん。ため息ついて終わりになります。

じゃあ、ここで、ため息ついて終わりになってしまう人に、どうやったら
それが少しラクになるか、っていうお話を今日はしていきます。

まず、脳疲労はなくしたいけど、ではどういうとき脳疲労は出やすいのか?
脳疲労しやすい状況は何か? というとですね、

● いまじゃなくて過去のことを考えているとき
● ありもしない未来について思い悩んでいるとき

これをやりすぎると大体、脳疲労しやすいです。
昔はああだったのに、、、あさってくらいになったら来週になったら、、、
来月までには!! とか。
それやってると脳は疲れます。

じゃ、いちばん疲れなくってすむ方法。
現在に集中しましょう、ってことです。

じゃあ、現在に集中しましょうっていうけど、今夜の晩御飯の献立、明日
仕事で行かなあかへんあの場所、そんなん考えへんかったら仕事できへん
って、いう人がいるかもしれませんが、何もそこまでのことを言ってるわ
けじゃないんです。
いま現在のことにグッと集中していただくのはなんと、1日10分で十分
だってデータがあります。

まあ、10分づつ2回とか3回やってもいいんですけど、、、大体10分。
最低でもね。
で、それも『時間を決めてやる』ってのがポイントなんです。
朝起きて顔洗って落ち着いてそこでの10分、、、
まあね、こういう優雅な生活できる人はあんまりいません、朝はね。みん
なバタバタで・・・
ですからまあ、大体の方は晩ごはん食べて落ち着いてホッとしたとき、そ
の後くらいにおやりになるのがおススメです。
ただしかし、ここでゆっくりとしすぎてお酒のほうにいっちゃったり、そ
のままベタっと寝る人も多いし、録ってたビデオ観だす人も多いのでこれ
はなかなか難しい、って人もいるかもしれませんが、でもこれやっていた
だくだけでほんとに身体の疲れ、心の疲れ、そして1番には脳の疲れが減っ
ていくし、減っていったら何がいいのかというのは後で話しますけど、い
ろんな効果効能があるってことです。

『瞑想』っていうのをやってみようかな、とか、やったことあるよって
方、いらっしゃったら手を挙げていただけますか?
おお、大勢の方がいらっしゃいますね。

瞑想って、やってごらんになって簡単でしたか?
いえ、全然できませんでした。
何ができませんでした?
無になれないんです。
そうですよね!
・・・ハイ、無になんかなれません!

これが瞑想の落とし穴です。
あのふつう瞑想っていって、頭がまっしろに、ぽっかーんとして何も考え
ずになんてことできないです。そんなことができるんだったら、ここにい
る人全員、神さまですよ。ほんとに。

とにかく人間というのはちょっとした時間があればすぐに現在過去未来に
頭がいっちゃうし、いま目の前にあるものじゃなく、ほかのものを妄想す
るのが大好きな動物です。
だからこそ脳みそをそんな具合に使って6割8割のエネルギーをぼんぼん
ぼんぼんぶっ飛ばしてるって、そういうことなんですね。