「気持ちよく声を出すために、心と身体を整えよう」4.胸式呼吸と腹式呼吸

意外と、高ーい場所に立っている、というのは喜べなかったりします。
で、まあ、そういうようなところもありますので、人間って不思議と、地面と
天の関係って大切だったりするんですね。
で、その両方を意識してその間で回してあげると、腰が回りやすくなるという
のが何故かあります。
そんなふうにして腰をよく回していただく。
それからつま先なんかもこんなふうに回して、とにかく関節という関節は全部
回してねってことなんです。
そうやって自分の今日の身体の「あ、ここ今日は回るな。でもどうしてここは
回らないの?」と、それこそわたしは寝違えた、右の肩甲骨が痛いなっていっ
たらこの出てる声はですね、100点満点の声じゃないんです。
右肩甲骨痛いの左肩上がらない、の声なんです、今日は。
ちょっとみなさんには申し訳ないけれど。
もっと体調のいいときだったらもっといい声をお聞かせできたんですけどね。

はい、それからこんどはね、コアマッスル、要するに体幹。
身体の真ん中の筋肉を少し感じる、ということをやって、そのときに声とどん
なふうに関係していくのかな、ということをやりましょう。

こうやって、こっちの膝ついてこうやるとかね。
あるいは両膝ついて背中をめいっぱい反らす、とかね。
またそれで背中丸めて下を向いたり、、、キャット&ドッグなんて言います。
これやることで自分の背骨、背骨ってブロックみたいなのががトントントン
って繋がってますが、それをできるだけまぁるくまぁるくまぁるく、イメージ
でまぁるくする、そしたらこんどはできるだけ反ってあげる、みたいなことを
やって自分の可動域、どれだけ動いてるのかなあ? というのを知りながら、
またイメージとしてはできるだけまるくなったらどうなるか、できるだけ反っ
て伸びたらどうなるか、そんなことを感じてほしいです。
で、おなじようにいろいろストレッチをやっていきます。
で、そんなことをしているうちになんとはなしに身体が動いてきたな、ここは
動きやすいけど、ここは動きが悪いな、なんてことがわかるわけですね。

こんどは、あばら骨ってあります。
肋骨ってやつですね。
よくみなさん、腹式呼吸腹式呼吸っていうんであまり胸骨に、あばら骨に意識
を置くことってないと思うんですね。
ところが、別に腹式呼吸じゃなくって胸式呼吸、これだって悪くはないんです。
だけれども腹式呼吸のほうがすごく生理的です。
要するに、おへそはわたしの場合、ここにあります。
このおへそと性器のあいだの丹田、といわれるところなんです。チャクラでは
2番めのチャクラになるところですけれども、そこの丹田というところをぎゅっ
と外にせり出すと、このあばら骨の一番下のやつ、12番めのやつです、ここの
下に横隔膜ってやつがあります。
この横隔膜は、膜という名前が付いてますけど実際は筋肉なんです。
この筋肉を下のほうに下げることで肺はめいっぱい広がります。
めいっぱい広がる、で、いっぱい息が吸える。
そしたらたくさん声が出せる。
そんな感じになります。

ところが、このあばら骨をたくさん動かしてみよう、いつもは腹式腹式いってる
けれど、こんどは胸式もやってみようということで、この横隔膜を下げてあげて
とするときに、肩上げちゃだめです。
肩を上げてしまいmすと、これがぜんぜん声が出せなくなっちゃうんですね。
だから肩はむしろここでドーン!と上げて、ずん!と下げる。
この下げた位置をイメージしながらスゥーッと吸って、どこまで吸うことができるか。
肩は下げたままですよ。
もし自分が肩上げるのをわかりたかったら片手を自分の方に置くといいんですよ。
それで肩から息するとひょいって方上がっちゃいますからすぐにわかります。
肩をあげないようにして、それでスゥーっと吸って胸に空気を入れます。
そのときにね、あいてる方の手であばらの下あたりを持ちます。
ふぅーーーはぁーーーふぅーーーはぁーーー、、、
すると、あばらってこんなふうに動いていて、肋骨ってこんなに動くのかって、
それだけそこにいろんな筋肉があるんですよ。
肋間筋、という筋肉があります。
それをしっかり動かしてあげないと肺ってふくらまないんですね。
あー、なるほどな、そぉーーか、こぉーーんな感じで、じーぶんはぁ、ふぅーく
らんでいく。みたいな感じのイメージってのを持ってほしいんですね。
これは『胸郭のストレッチ』になります。
胸郭とはこんな字を書きます。

胸郭

胸式呼吸でどれだけ息がだせるのかっていうのもね、トライしてほしいんですね。
胸式呼吸やるときは、お腹ペコンって凹んじゃいます。
胸のほうがぐうっとせり出します。
肩を下げときます。
さ、それで、これ慣れてないと長ーく声だせません。
ロングトーンというのをこれでやります。
さしすせその「す」の息の漏れるような音でいいです。
スーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーってまだまだつづけられるん
ですけどね、この息をぼすぅ!って出すんじゃなくてってですね、胸でキープしな
がらどれだけ出しつづけられるかなってのをやってると、そうすると肋骨をめいっ
ぱい広げて胸式での呼吸につなげてゆく、っていうのがしやすくなります。
これがスとかスゥとかズズズズとか、そういうとにかく息の流れがあるなっていう
のをやりながらイメージするのをやっていただくといいです。

こんどはまた腹式に戻ってまいりますけど、腹式をやるときにはさっき言いました
丹田です。おへそのチョイ下、丹田。ここんところに指を2本ぽん!とあてがいます。
で、この指をお腹で外にポーンと押し出ーす!って感じです。
これグウっと押し出すと勝手に横隔膜が下がります。
どーんと横隔膜下がる。
横隔膜下がるとどうなるのか。
横隔膜下がると、肺がふくらんで下に下がります。
肺が下に下がると、肺に付いている器官が下がります。
器官が下がると、器官についてる喉も下がります。
喉が下がると、いわゆるベル・カント唱法がしやすくなります。
ね、だからとにかく基本なんですけれども、腹式呼吸ってよくみなさん間違えてら
っしゃるのは、こうグッとお腹に力を入れてカタくする。これはね、発声とか歌を
歌うときの腹式呼吸じゃなくて、武道をするときの腹式呼吸なんですね。
お腹をカチンカチンに固めるのは。
歌とか声を出すときの腹式呼吸は、丹田を外にぶわーんとせり出してぽよんぽよん
にする。声出すときもここひっこめちゃだめですよ。
せり出しながら「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー」とできるだけ長ぁく
「えーーーーーーーーーーーーーー」、そうですね、上手です。
そんな感じでやるのが腹式呼吸ね。

それを「えーーー」でやってもいいし、「スーーー」でやってもいいし、「ズーー」
でやってもいいですけれどもとにかく声を出してる間はずっとお腹も出すんですね。
じゃ、息吸うときは? スゥーっとお腹凹ませて吸っていいんですかというと違う
んですね。息吸うときはどうするかというと、声出しててだんだんだんだんお腹が
凹んできたら、フゥーとまたお腹を外に張り出して息吸います。
ここでお腹を凹ませると肩が上がっちゃう。
だから、お腹を出したまま喉下げて腹式呼吸をやっていくって、そういうパターン
です。

ハイ。で、それをマスターしたら歌の練習をしましょう。
そのときに『腹でリズムをとる』というのを勉強してほしいんです。
腹でリズムをとる? 腹踊りしながら? ・・・じゃないんですね www
お腹でね、このホコホコホコって出す、この腹筋を鍛えることをしながら歌の練習
をする。
たとえばまあ、夕焼け小焼けの赤とんぼなんてありますよね。
それをやるときに、ゆ・う・や・あ・あ・あ・けえ・こお・やあ・けえ・え・のお
あか・とお・お・お・ん・ん・ぼお・お・お・お、、、と腹でリズムをとって区切
るように歌います。
こういうのあんまりやったことがない人は(お腹が)つります。
けっこうキツイんです、これが。
ところが、これをやってるとお腹でリズムをとる感覚がわかってきます。
そうすると、次は身体がリズムをとる感覚がわかってくるので、上手に腹式呼吸を
しながら歌ってゆける、喋ってゆける、というのが獲得できます。