「気持ちよく声を出すために、心と身体を整えよう」1.自分の身体と心を感じる

パワーボイスセミナー 第70回

「気持ちよく声を出すために、心と身体を整えよう」

 ~ 本当の自分の声に出逢うために ~

今日は頑張って歌うぞー!と思って歌ったのに、自分がイメージしている声が出ない、
歌えない、ということはありませんか? 
たしかに身体をほぐして、緊張しないで声を出せば勝手に出る、というほど発声という
ものは簡単ではありません。
でもその逆に、そんなに難しいものでもないのです。
それでは、変な意識をしないで心から発声することを楽しむためには
どうしたらよいのでしょうか? 
この回では、心と身体を整えて気持ちよく声を出すためのワークショップをしています。

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はい、みなさん、どうもこんにちは!
今日の内容、「気持ちよく声を出すために、心と身体を整えよう」
~ 本当の自分の声に出逢うために ~
と副題付けておりますが、これどういうことかといいますと、
えー、もちろんみなさん、声を出すことに興味がおありで今日いらしたと思うの
ですが、このなかでよく歌を歌うんだー、っていう方はいらっしゃいますか?
いらっしゃったらちょっと手を挙げてみてください。
・・・なるほど!
では、それ以外。朗読をします、そんな方はいらっしゃいますか?
・・・今日は朗読の方はいらっしゃいません。はい。
そうしましたら、お歌を歌う方以外でこれに興味があるという方はふだんの声、
それをしっかりはっきり出したいな、ということでお越しになったんですかね。
はい。
えー、ではそういう方にもちゃんと使っていただける方法を今日はお伝えできる
と思います。

あのですね、声を出すっていうのはどういうことか。

どういうことだと思います?

>自分の意思を伝える手段。

そうですね。コミュニケーションにすごく使えるじゃないですか、お声出すこと
ってね。

で、声っていうのはたとえば「それとってーな」とか「お腹すいたわ」とか
「おっ?!」ってびっくりするとか、何かのときに使うわけなんですけれども、
ところが声というのは自分の心の鏡になるんです。
ま、ふだんは自分の顔を見るときに鏡って使うもんなんですけど、心んなかちょ
っと見てみよーかといってもなかなか見れないんですね。
すごく腹が立ってるとか、さみしい・・・とか、なんか情けないなぁ、とか、
その心の状態っていうのはそんなにパーンと見えるわけじゃありません。

でも、自分自身の声を、「あーーー」って言ってるこの声を自分でちょっとよく
聴いてみようとするだけで意外と自分の心の状態ってのがわかったりします。

そんなことありません?
はああっ ってため息つきながら「ああ、なんて今日は楽しいんだろう!」って
いう人はあんまりいませんよね?
やっぱり、「はああっ・・・」ってトーンダウンした声を出してるときって、
あんまり楽しくない。
なんかちょっと疲れちゃってる。
そんなときが多かったりします。

それとは逆に、うれしいことがあって思わず声が踊ってしまうとき。
自分では隠そうとしても、他人から「何かいいことあったんだな」とわかってし
まうようなとき。
そんなことありますよね?

ですから、自分自身の体調を知る、っていうのには声が使えます。
また逆に、いい声をだそうとすることは体調もよくしておきたい。
ということは、自分の身体の動きとか、どんなふうに自分の身体が良い状態を保
っているのかそうじゃないのかとか、そういうようなことを感じること。

また心は心で、昨日アイツとケンカしたからまだ心にしこりが残ってるよなぁ、
とか、おかあさんにあんなこと言っちゃったからなあ・・・とか。
なんか嫌なことが残ってるとスカーン!と、ラクーに声が出ない状態になってたり
します。

そういうようなことっていうのは、すごく声と密接に繋がってるんですね。
そこらへんのことをみんなで一生懸命勉強してみようかな、っていうのが、今日
第70回のテーマです。

歌を歌う前にしてもらいましょう、
声を出す前にしてもらいましょう、
っていうことのためにつくられた今日のレジュメです。

で、1番最初に「挨拶」って書いてあるんですけどね。
いったい何に対して挨拶するの? っていうと、これは自分の身体と心に挨拶して
ほしい。
もちろん、みなさん、こんにちはー! って先ほどわたし申し上げましたね。
あれも挨拶です。
ここからはご自身の身体と心にまず挨拶しましょう、って、そういう話です。

自分のこの手や足、これ自分のものですから誰のものでもない。
じゃあ、この自分の身体は自分のものだから何をしようが平気、ってやってたら
どうなるでしょうか。糖尿病、高血圧、脂質異常、メタボリックシンドローム・・・
いいかげんな生き方をしていたらあっという間にそういうふうになっちゃうんです。
もう毎日ほんとに忙しい忙しい、ごはん食べる間もない、食べるのはほんの5分
10分でガーっと食べて、そのあと死んだように眠り、起きたらぐちゃぐちゃのまま
会社に行って、、、って、そういう生活してるとほんとに人間ってあっという間に
太っちゃいます。
ま、でも自分の身体だから。誰に迷惑かけてるわけでもなし。
でもそれ言ってるとやっぱり自分の魂は傷ついてくんですね。

だから自分の身体、たしかにこれは自分の心とスピリット、魂がが入ったいれもの
ではあるんですけれど、時には自分の身体がちゃんと動いてるのかな? 見てあげ
よう、という気持ちって、別にこれは歌を歌う人、喋る人関係なく、必要です。
これは精神論ではなくて、ご自身の身体を大切にしてあげてほしい、ということです。
女性はまだご自分をきれいに、という文化の中でいきてらっしゃるので、自分の顔や
身体をきれいに健康に美しく、ということを気遣ってらっしゃる方が多いと思うんで
すけど、ただ美しさの基本、っていうのはやっぱり『健康』なんですよね。

だからその健康な身体をつくっていくにはどうしたらいいのかな、
ということをちょっと頭の片隅に置いていただきながら、
自分の身体がどう動いてるかを見てほしいと思います。

さ、心です。
みなさん、21世紀のこの時代を生きてらっしゃってて、ご自身のプライベートの
時間、たっぷりとれてるよ、という方、ちょっと手を挙げていただけますか?

えーと、いま自分を入れてここに15人いますけど、誰一人プライベートな時間を
たっぷりとれてる人は今日はいなさそうですね。
なので、今日のこのテーマは役に立ちます。

これはひとつの方法ですけど、もし家に全身が見える姿見(鏡)がありましたら、
ぱーんと自分の全身を鏡に映して、自分自身の身体に「今日もよろしく」と挨拶
るような感じ、、、。それからじわーんと昨日のこと、今日のこと。今のことを
思い浮かべて、いまの自分の身体と心の中を感じてみてください。
身体と心の関連性、ってのも大事なんですけどね、でも身体は身体、心は心、別
々に感じてみるというのも面白いやり方です。

そして、ここでストレッチに入っていきます。
何回か前に『14筋体操』っていうのをやらせていただきました。
その14筋体操っていうのはなんなの? といったら、人間の身体の中には東洋
医学でいうところの『経絡』があるんです。いわゆる『ツボ』ですね。
その経絡に気が流れてる、とようよう医学ではいいます。
エネルギー、ですね。
で、この電気信号であったりエネルギーであったりするその通り道である経絡、
それがスカーン! と通っているとすごくラクなんですね。

ところがそれがうまくいってない、なんかどこかで滞っていると、なんとはなし
にしんどい、疲れた、立ってるのもつらい、、、みたいな感じになるんですね、
人間は不思議と。

その大きな経絡が14本あるので、これを整えるのに『14筋体操』っていう
のがありまして、これは YouTube で検索するといまはいっぱい出てきますから、
いっぺんやってみてください。
そうすると、やり終えたころには身体がラクに感じられると思います。
で、これは身体の伸びを感じる、というよりは、意外と心を軽くするのに役立つ
体操です。