「気持ちよく声を出すために、心と身体を整えよう」7.副鼻腔を響かせる

健康な人って1日にどれだけ鼻水が出ると思います?
あてずっぽうでもいいから言ってみて。

> 100ccくらいですか?

いえ、鼻水、2リットルは出てます。

だってさ、鼻水が唾とも一緒になって出るじゃないですか。
だってあなた風邪ひいてるときなんかしょっちゅう鼻かんでティッシュペーパー
だらけになるでしょ?
あんなのあれ何時間かでティッシュペーパーがべちょべちょになるわけじゃない
ですか。
風邪ひくとなぜ鼻かみたくなるかというと、鼻水が粘るからかみたくなるの。
粘らないでサラサラだったら、わたしたち飲んでるんですよ。
そしたら1時間でティッシュペーパーの1箱2箱がカラになるくらい出てるから
それ24回分にしたらすごいよ。

それだけ人間の身体の中で水分って循環してるんです。
だから水を飲まないと鼻が乾きやすくなります。
ワンちゃんと一緒です。
そうすると、鼻が乾くとやっぱり風邪ひきやすい。
インフルエンザもかかりやすい状態になるんですが、ま、とにかく、その水が
いっぱい出てちょっとは溜まるような場所、これを副鼻腔っていいます。
ここでもそんなに水が溜まると困る。
ふつうは空気が溜まっています。

で、どうして空気が溜まっているのか?
いろんな説があります。
ここに空気が溜まってるとボカン!!って殴られる、すごい力がかかっても玉子が
入ってるパックと一緒。玉子ってガッチガチのカタイところに入ってたらぽんと
落とすだけでクチュ!って割れるじゃないですか。あの玉子のパックって、空気が
入っててフニャフニャってなってるからさ、くちゃん!ってなっても玉子割れないで
すみますよね?
わたしたちの頭の中でいちばん大切なものってなあに?
ボカン!ってぶつかってクチャン!ってなって顔がおへちゃになったとしても守り
たいとしたらどこ守りたい?

そう、脳みそなんですよ。
だから顔のあたりが凹んでも脳みそ守りたいので、クラッシャブルゾーンとして
副鼻腔がある、っていうのがひとつの役目としてあります。

だけど、ここ(副鼻腔)に空気が入ってるとどうなるのか?
音が響きやすくなります。
この副鼻腔にぜーんぶお水が溜まってたら、鼻汁が溜まってたら、いづでもごんな
がんじのごえになっでじまいます。
ね、蓄膿の人の声ってちょっとくぐもってるのってわかると思うんです。
でもそうじゃない人の声って抜けがいい。
どうしてか。
ここに響くんです。
ここに響くと歌を歌う人、声を出す人、何がしやすくなるのかというと、ピッチが
とりやすくなります。

どこで音とりますか?
> え~と、耳ですか?
違うんですね。
この眉間のいちばん奥の辺りなんですけれども、そのまんなかあたりで空気が1番
震えているところで、もちろんん、イメージとしてはですよ。
もちろん、音はほんとは耳の中の内耳ってところで聞いて、とるんですけれども、
その内耳も骨に埋まってるので、骨が震えることで音が伝わるんです。
その骨が震えるときに副鼻腔を震わせる、っていうのは非常にいい方法です。
そのとき、わたしたちは意識をこの眉間の奥のほうに置いてフーンフーンフーン・・・
なんていって音とっていきます。
そうするとあんまり音痴にならなかったり、ピッチがズレなくてすむんですね。
・・・というために、この副鼻腔が非常に必要になってきますが、その副鼻腔の
イメージをしっかりとるのに、さっき言ったハミングでフンフンフンフンフンフン
フーーーーン、、、とか、んがあ うんぎい んぐう んげえ んごお んごお
んごお 、、、とか、そういう音をとるのがすごく大切になってきます。

そして、音を出すときにこの『鼻の奥を感じる』っていうのもいいんですけれど、
リラックスさも必要になってきます。
リラックスするのを必要とするときに『あくび』『ため息』、このあたりを使うって
のがあります。

で、あくびするときの声、ふあぁ~ あ~あ、、、
みんなでちょっとやってみましょうか、無理に。
ちょうどいま眠くなってくるような時間かもしれません。
ふわぁ~~あ~あ~あ・・・・・って、この(あくびの)口の形をとったまま、
あーーーーーーーーーーーーーー
これけっこう口も喉も広がったいい声なんです。

こんどは、ため息をついてみましょう。
はぁ~っ・・・
はぁ~ ------------------
ね。ため息ばっかりついてたら不幸になるなんて聞いたことない?
あれ、ウソです。

実は、ため息というのは人間が疲れてるときに勝手に出てくる音なんですけど、
なぜ疲れてるときに出るのか。・・・ラクになりたいから、ため息つくんです。
じゃ、ため息ばっかりついてると不幸になるのか?
1回2回だったら不幸になるかもしれません ww
つきまくると幸せになります(^-^)
いやっ、ほんと!

まず、はあっ ってやるやん。
もう一発 はあっ・・・ もう一発 はあっ・・・
じゃ続けて! はあっ・・・あーーーーーーーー って、ため息の音をずうっと出し
続けるんですよ。
それも積極的に、はあっ・・・ああーーーーーーーってやっていくと、そうすると
この周波数、この音が自分にとってリラックスする、心地いい音やのにみんな気が
つくんです。

でもこれをほんとに5分10分やってますと、少々のしんどいことだと「あれ?
なんでそんなにため息ついてたんだっけ?」ってことになりますから、いっぺん
やってみてください。

・・・と同時に、喉はひらきます。

あーーーー、あくびもして、ふわあ~ ため息もして、ふぅー はぁ~ってひらく~
っていうこの音をイメージしていただく、ってのもすごく役に立ちます。

ハイ、で、そこらへんの音ができるようになってくるとだんだんね、これ歌に近づいて
くんですね。

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ド・ソ ってあります。
ド・ソド・ソド・ソ・ド・ソ・・・って、最初できないうちは区切ってやったらいいん
ですけど、2つの高さの違う音をなめらかにレガートにつづけるっていうのかな、
これを『ポルタメント』っていうんですけど、1個ずつの音符のイメージはするんです
けど、それをなめらかに発声する。
ポルタメント発声。
こんなのをやっていくと、だんだん歌は自分のものになっていきます。
これが上手にできたあたりにはもう喉はスカスカに開いてます。
身体もすごくやわらかくなってる。

そんなことをですね、ほんとは歌の練習の前にやるんですよ。
そうするとね、もう身体が歌手の身体、歌を歌う人の身体、そしてまた喋る人の身体に
なっていきます。
そうするといろんなアドリブにも対応しやすくなるんでね、これをまあいっぺんやって
ミソラシドってやつです。はい。

えー、今日はとにかくお歌を歌う、それからいろいろお話をする、そのときに自分の
身体と心の状態を知って、でそれで歌いやすく話しやすくするための準備体操というか
準備の訓練についてお話しさせていただきました。

声と身体と心のことについていつもわたくしご質問承っておりますから、何か思いつい
たら訊いてください。
個人的な病気のこととかはここでは訊かないでください。

はい、じゃ、どうも、お疲れさまでした。