「今一度、腹から出す声のコントロール!」3.声をラクに出したかったら横隔膜を下げる

こういうのを『胸郭』っていいます、ここね。
胸の中、胸郭です。
横隔膜が動くときに、この胸郭の中っていうのは空気がいっぱい入ってるわけじゃ
ないんですね。
絵で描くと隙間があいてるみたいに見えるんですけど、ほとんど隙間はないです。
空気無し! だと思っといてください。

この横隔膜がグッと下に「下がります。そのときに肺がぽわ~んてふくらむんです
けれども、そのときにひゅって勝手に空気が肺の中に入ってきてくれます。
と同時に肺がちょっと下側に動くんです。ぶぅーん!って。
で、下のほうに肺が動くときに、実は気管も下のほうに引っぱられるんです。
ね、そしたら、気管の上にはさっきから散々言ってる喉頭が付いてる。
気管が下がったら喉頭、お喉はどうなると思います?

下がるんです!
ほら。
首の中で上のほうに上がったらウエッ!って喉詰まってしんどい、いうてたでしょ。
首の下の広いところに喉を下げてきてやったら、広いところでラクになるから
横隔膜を下げてあげれば、肺は下がります。
肺が下がったら気管も下がります。
気管の上に付いてる喉は下がります。
そうすると、これが『腹式呼吸』ということになります。

じゃ、横隔膜ってどうやって下げたらいいんでしょうか。
横隔膜を下げるのは、っていうと、おへその大体、指3本くらい下のところに
『丹田』という場所があります。
この場所を意識してぐん!て外に出すんです。きゅっと。
で、そのキュって出す出し方で横隔膜はフンって下がります。

ちょっと触らしていただいていいですか?
おへそどこにあります?
そ! この指を押し返しながら、

エーー エーーー

そうそう。
そうするとね、声がけっこうラクに出しやすくなるんです。

へー、へー、へー、ヘエーーーーーーー って。

ただ、ここでひとつ気をつけていただきたいことがあります。
いま、わたしたちがやっているこの医学的腹式呼吸というのは、空手とか拳法の
ように、お腹に力を入れてお腹をガンガンに固めちゃだめです。
お腹
お腹の張り具合というのは固く固く締めるんではなくて、たぬきじゃないですけど
外側にプワン、って張るかのように、ふわって張って、それでほわんほわんって
させて、それでキュンキュンってある程度、自分で押さえてクッション効いてるな、
くらいの感じで。

それで「一日一歩、三日で三歩♪」っ
ハイ、ここまでのところで何か質問がある方、
どんなことでもけっこうです。

いままで習った腹式呼吸ってうのは、息を吐くときにお腹が凹んで、吸うときには
ふくらんで、声出すときにはへっこみながら、って習ったてきたんですけれど・・・

うれしい!
ちょうど間違ったことを言ってくれる人がいてくださってうれしい。
それ、残念ながら間違いなんです。
あのね、っていうのは、お腹をへっこませた瞬間に、実はもうそれ腹式呼吸では
なくなってるんです。
ほかのところに力が入るんです。

だから、本来の歌で使うべき腹式呼吸っていうのは、まず息吸いますね。
もう当然、さっきも言いました。横隔膜下げて肺をふくらましたら、お腹はぱんぱん
ってしてますねえ。
それで、じゃあ声を出しましょうといったときにグッと中に凹まそうとするでしょ。
それをするとね、不必要な力がかかるんです。
腹筋でもって横隔膜を上げてしまっている。
わざわざ下げたい横隔膜を上げてしまったり、ぎゅうぎゅう外から力をかけるから、
また変なところに力が入ったりするんです。

あのね、よく夜店なんかで売ってる風船にブザーっていうか、
笛がついてるのあるじゃない。
風船をふぅーってふくらまして、パッと口をはずすとウィーーーっていうやつ。
実はあれがすごくいい発声のモデルなんです。

わたしたちたくさん息吸います。スーーーーーーーー はい、パンパンになりました。
もうぱっつんぱっつんです。もう出さな、うう、くるしい、、、っていったときに
ちょっと喉をゆるめて「あーーーーーーーーー」って出す。
そこで無理にお腹を縮めようとしたらストレートに声が出せなくなっちゃうんです。
これは歌うたうのにぜんぜん損やし、もったいないし、意味がないです。

たくさん息を吸った。
さ、あとは口だけあいたら、ここにたくさん空気溜まってるから「あーーーーーー」
って勝手に声は出てくるんですよ。
そこで無理にガ!って出さなくていいんです。

で、大概そこでお腹にグッと力を入れちゃうと、また肩に力が入ってきたりします。
で、肩に力が入ると実は喉もまた締まります。
そうなるともう、腹式呼吸やらなんやらわけわかんなくなっちゃうんですよ。
「じゃあ、お腹を外に出してたら永遠にへっこみませんか?」
そんなことないですよ!
空気どんどん使ったらそりゃどんどんへっこみます。

たとえばね、いま、お腹の中に空気入れました。
はい、たくさん入れた。
背中の方まで空気が回ってるくらいの感じです。
でもこれ『感じ』じゃなくて、よく歌の先生が「背中まで空気入れてくださいね」って
言うんですけど、肺って大きいので、背中の部分のほうが大きいので、前のが短いん
ですよ。ここ、ここね。肺は後ろのほうが長いです。
だから背中のほうまで空気まわります。

で、それで「あーーーーーーーー」って声を出してやります。ずっとずっと声を出して
たらだんだん背中の空気も凹んでくるし、前のほうもなんやかんやいったってだんだん
凹んできます・・・△×●□◆・・・・・・って、ついに息なくなったらフッってまた
お腹出しながら吸うんです。鼻からスーって吸ってあげるの。
そうするとけっこうロングトーンの繰り返しなんてのはラクにできてきます。はい。
でも訓練はいります。

で、しょっちゅうしょっちゅうそういうことやっといていただくと喉には負担が
かからずに、いいお声ではっきりしゃきしゃきとずっとお声を出すことができるんです。

さ! でもね、ここでいちばん最初にわたし言ったこと、実は申し訳ありません、
翻します。
声をね、出すにはさっき何が必要やっていいました、わたし?
声の素って、何が声の素になるって言いました?

空気!
たしかにそりゃそうです。
でも、その空気を生み出すのはというと、何が必要か?
ね、たとえば、歌いたいなと思うときに、ま、声だすわけですけれども、
歌いたくないときには歌いませんよね?

たしかに。

・・・うん。ということは、歌を歌う。声を出す。いちばんのはじまり、着火点、
このアクションのスタートはなんでしょう?

思い。

あたりです!
まず、歌いたい、声だしたい、
「あんた何してんのん!」言うて、て旦那に文句言いたいとか ww
「何いうてんの、おまえ!」言うて、奥さんに文句言いたいとか www
・・・っていう、気持ちがないと、やっぱり声って出ないんです。
感情が声を動かします。

じゃあ、どんなふうに感情が声を出してるのか。
やはり何かでちょっと腹が立ったり、とか。
おや?! って思ったり、すごく悲しいって思ったり。
そういう人間の喜怒哀楽、こころの揺れが起こったときに、やはり声が出したくなるし
出しやすくなります。