第30回パワーボイスセミナー

『あなたの声のキャラクター。声から伺う、声格って?』

平成25年11月2日(土) / 大阪開催

平成25年11月2日(土)に第30回パワーボイスセミナーが終了しました。

今回のセミナーは、『あなたの声のキャラクター。声から伺う、声格って?』と題して、声から伺い知れる人の性格を『声格』と名づけて、声と性格の相関関係についてのお話をさせていただきました。以下はその内容の一部抜粋です。

まず、人はなぜ声を使うのでしょうか?
これは言わずと知れた、コミュニケーションのためですね。
ただ、コミュニケーションのためといっても、声は10人10色、いろいろな声があったり、いろいろな話し方があります。

この声という音の波にはその人の性格、その時の元気度などは言うに及ばず、その人の成長過程における環境要因に至るまで、様々な情報が入ってきます。
声というものはそのすべてを表現しているといっても言い過ぎではありません。
そのために優しい人は優しい声を、意地悪な人は意地悪な声を自然と出してしまっています。
では、性格が優しくならないと優しい声は出ないのでしょうか?

はい、実はそうなんです。
いくら声だけ優しそうにふるまったところで本来の優しさかどうかというのは自然と声に表れてしまいますし、 あまり優しくない人が優しそうにふるまうと、その無理をしたところがやはり声には 自然と表れてしまいます。
それはなぜかといいますと、人間の声を出す器官、口、唇、舌、鼻、喉は筋肉とともに 複雑な動きをしています。
そして、これらの筋肉は顔の筋肉と密接につながり、また、 この顔の筋肉は感情にともない、 細かく動いていきます。
私たち人間はもう何万年も前に動物としてこの星に生まれたときから、たった一人で生きていくのが苦手な生きものとして進化を遂げてきました。
その進化の途中で、最初は身振り、手振りだけであったものが、徐々に顔の表情、ついで声や音楽などを用いることにより、 どんどんと 複雑なコミュニケーションを体得していったと考えられます。
またこの進化にともなって、これらの声を出す筋肉も、 表情をつかさどる『表情筋』と
いわれる顔の筋肉とともに進化するようになってきました。
すると固有の感情には固有の筋肉の動きがともないますから、おのずとそこには 固有の音、声が乗ってくるということになります。
いつもイライラしている人は怒った声、荒ぶる声で話すことがとうぜん多くなるわけですし、落ち着いた優しい人が優しく声を出すときには柔らかく、細かい響きの声で話すことが多くなるのはそのためです。
こうして、個人個人の特徴のある話し方や話し声ができあがっていくわけです。
では、人間的に成長していない方、優しくない方は未熟な声、優しくない声しか出せないのでしょうか?

いいえ、それは違います。
そのために私たちは成長する機会として経験を生活の中からいただくことができます。
この成長のさなかに人は冷静にものを見つめ、感情的にならずに自分を コントロールする方法を学びます。
感情的に筋肉を動かすことなく、抑制のきいた筋肉の使い方を獲得すれば、 おのずと抑制のきいた声を出すことができるようになるわけです。
その声を学ぶために、私たちは『ゼロの声』という、感情を出さない発声法を学びます。
これは『顔面に力を入れない状態を作り、その状態で発声する』という方法です。
顔面に力が入っていると、唇をぶるぶると回すリップローリングができません。
逆に言うと、このリップローリングをしながら声をずーっと伸ばしていくと、喜怒哀楽の混ざらない、感情を抑えた発声ができるようになります。
これを私は『ゼロの声』、と表現しています。
そうして、この声をしっかり聴くことで、自分のゼロの声を覚えておいてほしいのです。
この声を聴き、覚えることで、ゼロの声ではないときの声との差が自分ではっきり
わかるように してほしいのです。
たとえば、腹立ちまぎれに「なんだよ!」「どおしてえ?!」などと感情的な声を出したとしましょう。
この時の声とゼロの声がどう違うかということがわかれば、自分はいま怒っている、いい気になってはしゃいでいる、などということが客観的に冷静にわかるようになり、声を中心に自分をコントロールしていくことができるようになってきます。
そういうことを積み重ねていくうちに、豊かな情感を含みながら抑制のきいた、自然で落ち着いた声格=性格へと成長していけるだろうと思います。
つまり、意識的な発声というものを通して、人の声も性格も成長してゆけるということです。

以上、今回はこのようなことを中心にお話しさせていただきました。
これより下は、今回参加してくださった方々のお声です。
次回はぜひ、あなたのご参加をお待ちしています♪

1.このセミナーに参加しようと思った動機はなんですか?

  • 私はボーカルティチャーをしていて、自分自身の声の勉強のために受講させていただきました。(男性・20代)
  • 現在、声に不調があるので、この講義を聴いてみたいと思いました。(女性・10代)

2.実際に参加されたご感想をお聞かせください。

  • 自分自身にも、また職場でも活かせることをことを教えていただき、感謝いたします。
    私の勤めている学校では子どものたちのあいだで『警察24時』のような言葉が飛びかっており、職員一同、人との接し方やトラブルが起きたときの解決のしかたなどを毎日指導している状態です。先生のお話を聞いて「私たちがいままでしてきたことは間違っていなかった」と、安心と自信を持ちました。ありがとうございます。(女性・40代)
  • 『経験』が声を形成していく、『物事』を受け入れていく、良い経験は自らが作っていく、この三点、非常に勉強させていただきました。ありがとうございました。(男性・40代)
  • 家族やまわりの環境がもたらす声の影響、声には心が表れることなど、大変勉強になりま した。(男性・20代)
  • わかりやすく、たくさんのことを教えていただき、楽に勉強できました。(女性・60代)
  • 声と性格のお話が興味深く、面白かったです。(女性・60代)

今後このセミナーに期待すること、取り上げてほしいことなどありましたら。

  • 医学的なこと、治療的なことを関連づけた内容があると嬉しいです。
    テーマはなんでもかまいません。いつも楽しく勉強できて嬉しいです!!(女性・40代)
  • 日常の声(のど)の管理方法。のどに良いこと・悪いこと。(男性・20代)
  • 発声の診断をしてほしいです。(女性・10代)