「ボイスチェック&ソングチェック」Part.9 4.母音発声、ハミングで練習

ちょっとこれを覚えておいてほしいんですけど、『母音発声』っていうの。ちょっとだけお教えします。

さびしくて

SA BI SHI KU TE

これの母音はなあに?っていったら、A,I,I,U,Eです。
で、まずその「んがあ!」ってやって。

中島:んがあー

ああー、で、あ、い、い、う、え、ってやって。

中島:あいいうえー

そう、そのね、母音の口の形をしっかり覚えてほしいんですよ。
だからさっきの岡村さんの歌だったらね「おおああううあえい」です。それが『夜空が夕焼けに』から母音だけを引っぱりだしたものです。
その母音だけで歌を歌う、ってやり方がひとつあります。
さびしくて
あいいうえ

その「あいいうえ」という母音の口の形をしっかり保つことで喉が詰まらなかったり、さっきの「ふんがあー」の「あ」がきれいに出たり、いいことがいっぱいあります。
だからますはこの「さびしくて」って歌うときに母音を意識して「さ・び・し・く・て」ってちょっと言って。

中島:さ・び・し・く・て

はい。
ね・む・れ・な・い・よ・る・に

中島:ね・む・れ・な・い・よ・る・に

あ・な・た・だ・け

中島:あ・な・た・だ・け

かんがえているー

中島:かんがえているー

オッケー。じゃあ、そんな感じでちょっとまた頭のとこだけ
歌ってみましょうか。はい。

中島さん歌う。

はい、いいですよ。
でも、それだけで歌いやすくなったでしょ?
はい。それがね、『声をまず出す』ってことなんですね。
中島さんはやっぱりあれですか? 歌の勉強をされるときにCDかなんかの音源聴いてやっちゃうの?

中島:そうですねえ。

ねえ。
それでやるとほんとうにこういった喉を詰めるという、歌を学ぼうとする人がいちばん辛い罠、に陥っちゃうんです。
ですから、まずぜひそれをやめていただかないと、本当に歌を勉強するってことはできなくなります。

で、それから、ピアノかなんか弾かれたりするんですか?

中島:ピアノはあるけど弾けないです。

ああ、そうですか。
じゃあ、さっきもいったように、何分音符が何々とか、実際に鍵盤押してみて、譜面から勉強するってことをしないと、絶対に歌って歌えないですよ。
いまはね、会社を定年退職された方が、60からピアノを勉強されたりする方とかいっぱいいらっしゃいます。
いまからやると脳の活性化に役立ちますよ。
若返りますよ。

でも、お歌っていうか、ちゃんとした発声法を学んでいただくっていうのも、これはすごく役に立ちます。

さ、岡村さん、また出てきていただけますか?

(いま他人の聴いてて)なるほどな、とか思った?
じゃ、ゆっくりでいいや、音はハズしてもけっこうです。
あなたはちなみにこの歌詞、覚えてらっしゃる?
そう、それならいいや。
じゃあ、朗読をする感じでもって、そんなに大きなばか声ださなくていいですから、「よぞらがゆうやけをつつむー」という感じで、ほんとに自分の生活とリンクさせながら、ちょっと語っていただけます? どうぞー

岡村:
夜空が夕焼けを包む
オリオンをみつけたよ
ごらん、さあ立ちあがり つないだ手をはなそう
ここからはひとりでも歩けるだろう?
君と君の涙に教えておくよ
別れじゃなくて これが出逢いさ
君のためにぼくはつよくなる
たとえどんなに離れていても
あの星を見上げてる
いつでも

かっこいいー!
イエー! パチパチパチ・・・・・・
いやっ、あなた、朗読だってかっこいいんですよ。
思いません? ねえ。
あのまあもちろん、これは藤井フミヤさんの作詞がすごくいいからだって思いますけれども、でもそれをあなたがちゃんと自分のものにして口から出すとさ、あなたカッコイイのよ。
うん。だからね、いまの感じで、無理に歌おうって思わなくていいから、ちょっとそれにかるくメロディーつけてやってみて、どうぞー

岡村:よそらがゆうやけをー

うーん、やっぱりそれだと藤井フミヤが入ってくるのよ。
じゃあ、いまのをマでやってみて。

岡村:マママーマーマーママ、マママー

オッケー! いいですよ。
あなたはこれまでこの曲を何回くらい勉強したんですか?

岡村:え~と、2ヶ月くらい。

2ヶ月。何回くらい、これ歌った?

岡村:うーん。。。。2、30回くらい。

ああ、まだそんなもんですか。じゃあ、まだしれてるよね。
あの、なんていうのかしら。この朗読をさ、100回くらいしたらいいのよ。ほんと。こんなの簡単やん。

夜空が夕焼けを包む。
オリオンをみつけたよ。
ごらん、さあ立ちあがりつないだ手をはなそう。
ここからはひとりでも歩けるだろう?
君と君の涙に教えておくよ。
別れじゃなくてこれが出逢いさ。
君のためにぼくはつよくなる。
たとえどんなに離れていても
あの星を見上げてる。いつでも。ってさ。100回やるのさ。
たぶん、あなたこれ2時間もかからへんと思うねん。
ほんとに。
そしたら、ぜーったい間違いなくこの歌詞はあなたのものに
なるのよ。
ところがその音をのせたときに「よぞら~がゆうや藤井フミヤ~」ってこうなっちゃう。
で、そっちのほうはもっと別口でやろうと思うと、さっき言った「マ」。マママ~ママーママ、マママーって。
さっき彼女がやったのとおなじですね。
ふーん(Fummmm~)ってやって。
お、いい感じ。
じゃ、ハミングでやってみよう。

ふむ。なるほどね。
あのね、ハミングでやる良さっていうのはさ、口の中の広がりをちょっと無くするんですね。
あー、というと口の中の広がり出ちゃうじゃないですか。
ところが人間っていろいろ緊張してたり、他の人の歌のイタコやっちゃったりと、その他の人の力の入った喉を表現しようとしてしまうんですよ。その途端、喉は締まってしまっていい感じで自分の声が出せなくなるんですね。
だから、自分の声を出すために、いっそのことまず「ん」って口閉じちゃうの。鼻の響きだけにするの。
そうすると、変に喉詰まりにくくなるから、それでハミングで(楽に)メロディー歌ったりできるのよ。